シミ取りレーザーの失敗例は?失敗してしまう原因や対策について解説
レーザーでシミの原因であるメラニン色素を破壊する「シミ取りレーザー」。
セルフケアでは難しいシミを短期間で治療できるため、施術を受けようか悩んでいる人は多いのではないでしょうか?
しかし、シミ取りレーザーの経験者の中には、少数ながら「失敗した」という人もいます。
シミ取りレーザーの失敗としてよく挙げられるのは、以下の4つです。
- 効果が出ない
- シミが濃くなった
- シミが再発した
- 白抜けした
この記事では、シミ取りレーザーで失敗してしまう原因や対策について紹介します。
- シミ取りレーザーを肝斑に照射するとシミが濃くなったと感じる場合がある
- シミ取りレーザーの失敗を防ぐには必要回数やダウンタイムの理解も重要
- シミの再発は一時的な炎症後色素沈着(戻りジミ)の可能性もある
- 万が一失敗した場合はまず施術を受けたクリニックに相談するとよい
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シミ取りレーザーで失敗する原因と対策
ここでは、シミ取りレーザーの4種類の失敗について詳しく解説します。
失敗する原因や対策方法も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
シミ取りレーザーの失敗例1:効果が出ない
シミ取りレーザーの施術を受けた後「効果が感じられなかった」という人もいます。
効果が出ない原因
シミ取りレーザーで効果が出ない場合、主に以下の2つが原因と考えられます。
- シミ取りレーザーの回数が足りていない
- シミ取りレーザーの出力が足りていない
シミ取りレーザーは1回で終わる場合もありますが、機械の種類によっては2、3回程度必要なケースもあります。
また、シミ取りレーザーで効果を感じるには、適切な出力で照射することが大切です。
レーザーの照射出力が不十分だった場合、シミを取り切れないことがあります。効果が出ないことを防ぐ対策
シミ取りレーザーで効果を感じるためには、以下が有効です。
- 実績が豊富なクリニックを選ぶ
- 必要な治療回数について医師に質問しておく
シミ取りレーザーの効果は、医師の技術力に大きく左右されます。
そのため、実績が豊富な医師に施術をしてもらうことが大切です。
公式サイトに掲載されている症例写真や症例数を参考に医師を選ぶとよいでしょう。
また、シミ取りの効果には個人差があるため、カウンセリング時に必要な治療回数の目安について確認してください。
シミ取りレーザーの失敗例2:シミが濃くなった
レーザーの施術を受けた後、かえってシミが濃くなったと感じられる場合があります。
シミが濃くなったと感じる原因
シミが濃くなったように感じる理由として、これまで隠れていた肝斑が現れたことが挙げられます。
施術した部位に肝斑が隠れていた場合、レーザーで熱刺激を与えることによって、肝斑が肌表面に浮き出てしまうケースがあるためです。
これにより「シミが濃くなった」「シミが増えた」と感じる可能性があります。
▼シミの種類シミが濃くなることを防ぐ対策
丁寧に診察を行い、シミの種類を見極めてくれる医師がいるクリニックを選びましょう。シミ取りレーザーの中には、肝斑に当ててはいけないものもあります。
使用する機器や施術メニューによって、得られる効果が異なるため、医師による正確な診断が大切です。
シミの診断は皮膚科の領域となるため、皮膚科医または皮膚科専門医に診てもらうのもよいでしょう。
シミ取りレーザーの失敗例3:患部が白抜けした
シミ取りレーザーの後、かさぶたがはがれた部分が白く抜けることがあります。
1回の治療で白抜けが起こることはまれで、短期間で複数回レーザーを照射する場合に起こりやすいとされています。
▼一般的なシミ取りレーザー治療後の経過患部が白抜けする原因
白抜けする原因には、主に以下の2つが考えられています。
色の差が出て目立っている 白斑化を起こしている かさぶたがはがれた後に現れる新しい皮膚はくすみが少ないため、他の部位との濃淡の差で白く見えます。時間の経過とともに色がなじむため、様子を見ましょう。
ただし、後者の白斑化の場合は注意が必要です。
白斑化は色素細胞が損傷して、正常に働かなくなることで起こります。患部の白抜けを防ぐ対策
新しい皮膚と周囲の皮膚に濃淡の差が出るのは自然な現象のため、特別な予防方法はありません。
もし濃淡の差が出ている場合も、徐々に回復するため特別な対応は不要です。
白斑化の対策としては、施術の間隔を十分に空け、照射する部位に過度なダメージを与えないことが挙げられます。
シミ取りレーザーの失敗例4:かさぶたができない
通常シミ取りレーザーを行うと、施術した3〜5日後にかさぶたができます。
かさぶたができるのは、メラニンの粒が壊れるときに発生してしまう衝撃波が、表皮にダメージを与えてしまうからです。
しかし、まれに術後しばらく経っても、かさぶたができないことがあります。
かさぶたができない原因
シミ取りレーザーは、すべてのケースでかさぶたができるわけではありません。
シミの種類によっては、かさぶたができないことがあります。
▼かさぶたができにくいシミの例太田母斑・異所性蒙古斑 | アザのような淡青色のシミ |
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扁平母斑 | アザのような茶色のシミ |
後天性真皮メラノーシス(ADM) | 真皮内にメラニンが増殖するシミ。頬上部に左右対称に表出しやすい。 |
また、レーザーの照射モードによっては、かさぶたができにくいものもあります。
かさぶたができないことへの対策
かさぶたができなくても、シミ取りレーザーがしっかりと作用していれば、シミの改善を確認できます。
シミが目立たなくなるまでの経過は、人によって異なるため、事前に医師に確認することが大切です。シミ取りレーザーの失敗はダウンタイム症状の可能性もある
シミ取りレーザーの失敗とされる症状の中には、単にダウンタイム中の副作用である場合もあります。
以下の症状はシミ取りレーザーの副作用のため、症状が発生した場合は一定期間経過を見ましょう。皮膚の赤みや腫れ
シミ取りレーザーを照射した2〜3日後に、一時的に赤みや腫れが出ることがあります。
赤みや腫れはシミ取りレーザーによる正常な反応で、肌が軽いやけど状態になることが原因です。
多くの場合、赤みは1ヶ月程度で落ち着きます。
腫れも同様で、時間の経過とともに元の状態に戻る場合が多いようです。
赤みや腫れが出た場合は、タオルにくるんだ保冷剤で冷やすと症状が緩和されます。
もし、ダウンタイム後も赤みや腫れが引かない場合は、クリニックを受診してください。
▼シミ取りレーザーの症例写真(術前・翌日)詳細
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ヒリつきや痛み
シミ取りレーザーを照射した直後は、ヒリつきや痛みを感じることがあります。ヒリつきや痛みは、通常数時間~数日で落ち着きます。
ヒリつきや痛みが出た場合も、保冷剤で冷やすことが有効です。
あまりに長く痛みが続く場合は、肌が炎症を起こしているおそれがあるため、クリニックに相談しましょう。
シミが復活した(炎症後色素沈着)
レーザーの施術を受けた後、一度はきれいになるものの、同じ箇所にシミが再発したかのように見えることがあります。
これは「戻りジミ」と呼ばれる症状で、肌へダメージが加わって炎症後色素沈着が起こることが原因と考えられています。
炎症後色素沈着の発生率は、Qスイッチレーザーは25〜47%程度、ピコレーザーでは5〜10%程度です。
自然治癒することが多く、施術後1ヶ月が症状のピークで、約6ヶ月が経つと目立たなくなります。
6ヶ月経ってもシミが消えないと感じたら、クリニックを受診しましょう。シミの再発または戻りジミの固定、シミを取り切れなかった可能性が疑われます。
シミ取りレーザーはシミのもととなるメラニンを破壊することはできますが、メラニンを生成する細胞である「メラノサイト」を壊すことは困難です。
そのため、レーザーによってシミが再発するリスクをゼロにすることは難しいでしょう。
シミ取りレーザーで失敗しないためのポイント
シミ取りレーザーの施術で失敗しないためのポイントには、以下の2つがあります。
- シミの種類に応じた治療法を提案してくれるクリニックを選ぶ
- ダウンタイム中は医師の指示を守る
シミの種類に応じた治療法を提案してくれるクリニックを選ぶ
失敗するリスクを抑えるためにも、以下の3点を確認しましょう。
- シミ取りレーザーの実績が豊富
- カウンセリングが丁寧
- アフターサポートや万一の保証がある
シミには複数の種類があり、誤った治療を行うと、効果が出ないだけでなく、かえって悪化するリスクもあります。
そのため、シミ治療の実績が豊富なクリニックを選ぶことが大切です。
また、カウンセリングの丁寧さも重要なポイントです。
シミ取りレーザーは副作用が出ることもあるため、デメリットや注意点までしっかり説明してくれるクリニックを選びましょう。
さらに、美容クリニックの中には「治療後○年までなら再治療OK」と保証制度を設けているクリニックもあります。
シミ取りの失敗が心配な人は、アフターサポートが充実しているクリニックがおすすめです。
ダウンタイム中は医師の指示を守る
シミ取りを行った後の肌は、ダメージを受けているため、いつもよりデリケートな状態です。
特にかさぶたがはがれるまでの約1週間は、入念なアフターケアを心がけましょう。シミ取りレーザー後は、以下の点を守ることが大切です。
- 保護テープで患部を守る
- 紫外線対策をする
- 照射部位はできるだけ触らない
- かさぶたを無理にはがさない
- 血行を促す行為を避ける
肌への刺激を防いだり回復を早めたりするために、しばらく患部にテープを貼る必要があります。 テープを貼る期間は、部位や使用した機器によって異なるため、必ず医師に確認しましょう。
日焼け止めクリームや日傘を使って、紫外線から肌を守りましょう。 シミ取りレーザーの後に日焼けをしてしまうと、症状が悪化することがあります。
施術後にかさぶたができると気になるかもしれませんが、できるだけ触らないことが大切です。 患部に刺激を与えると、炎症後色素沈着(戻りジミ)が起こりやすくなります。
術後1週間程度で、自然にかさぶたがはがれていきます。 無理にはがすと、色素沈着が残るおそれがあるため注意しましょう。
術後1週間程度で、自然にかさぶたがはがれていきます。 無理にはがすと、色素沈着が残るおそれがあるため注意しましょう。
シミ取りレーザーで万が一失敗した場合の対処法
もし、シミ取りレーザーで失敗したと感じたり、肌トラブルが起こったりした場合は、施術を受けたクリニックを受診しましょう。
他のクリニックに相談する方法もありますが、シミの再発が疑われる場合は特に原因の特定が難しいため、まずは施術を行った担当医に相談してください。
シミが取り切れていなければ、再度のレーザー照射が必要になる場合もあります。
なお、炎症後色素沈着が起こった場合は、必要に応じて飲み薬・塗り薬の処方などの治療を行うこともあります。
- 飲み薬
- 塗り薬
炎症後色素沈着に対しては、抗炎症作用のあるトラネキサム酸やメラニンの産生を抑えるビタミンCが処方されることがあります。
炎症後色素沈着の治療には、メラニン色素の産生を抑えるハイドロキノンや、メラニン色素の排出を促すトレチノインといった塗り薬がよく使われます。
シミ取りレーザーの失敗に関するよくある質問
ここからは、シミ取りレーザーの失敗に関するよくある質問を紹介します。
レーザーペンを使って自分でシミ取りするのはやめた方がいい?
先端から特殊な光のようなものを出してシミを除去する「シミ取りレーザーペン」という商品が市販されています。
価格も安価で、ECサイトで気軽に購入できますが、使用はおすすめできません。
シミを取り切れないだけでなく、周りの皮膚を傷つけたり、火傷(やけど)や炎症を起こしたりして、傷跡が残るおそれがあります。適切な方法でシミを治療するなら、クリニックを受診しましょう。
レーザー以外のシミ取り治療方法はある?
シミの治療は、レーザー以外にも次のようなさまざまな方法があります。
- 内服薬
- 外用薬
- 光治療
たとえば、一般的なシミ(老人性色素斑)やそばかす(雀卵斑)であれば、光治療や塗り薬による治療も可能です。
また、肝斑や炎症後色素沈着は保存療法が第一選択となるので、塗り薬や飲み薬、光治療を組み合わせて治療する場合があります。
それでも効果が見られない場合、レーザートーニングを行うこともあります。
レーザートーニングは、マイルドな照射出力のレーザーを使って、メラニンを減らす治療です。
複数回照射することで肌への負担を抑えながら、シミを薄くしていきます。
治療法によって、向いている症状や治療費、副作用が異なるため、医師と相談してご自身の生活スタイルに合った方法を選択しましょう。
▼レーザートーニングの症例写真(ピコレーザー)詳細
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シミ取りレーザーの禁忌(できない人)は?
カウンセリングで医師に相談してみましょう。
- 光線過敏症の人(光感受性を高める薬を飲んでいる人)
- 激しい日焼け直後の人
- ケロイド体質の人
- ヘルペス疾患の人
- 施術部位に金の糸が入っている人
- 自己免疫疾患・てんかんの既往のある人
- 施術部位に重度の感染症が見られる人
- 妊娠中・妊娠の可能性がある人
- 授乳中の人
- 「美容医療診療指針(令和三年度改訂版)」(美容医療診療指針作成分科会)
- 川田暁編著「美容皮膚科ガイドブック 第3版」(中外医学社)
- 川田暁編著「患者からの質問に自信を持って答える美容皮膚Q&A」(日本医事新報社)
- Au DC,Goldman MP,Wat H,et al.A Systematic Review of Picosecond Laser in Dermatology: Evidence and Recommendations.Lasers Surg Med.2021;53:9-49
- Wang CC,Sue YM,Yang CH,et al.A comparison of Q-switched alexandrite laser and intense pulsed light for the treatment of freckles and lentigines in Asian persons: a randomized, physician-blinded, split-face comparative trial.J Am Acad Dermatol.2006;54:804-10
- 「太田母斑・異所性蒙古斑(青あざ)」(日本形成外科学会)
- 「扁平母斑」(日本形成外科学会)