美肌治療

顔のシミを消す方法はある?お金をかけずに自分でできるケア方法や市販薬の選び方も紹介

顔のシミを消す方法はある?お金をかけずに自分でできるケア方法や市販薬の選び方も紹介

シワと並んで、見た目年齢を引き上げる肌悩み「シミ」。

若い頃にはあまり気にならなかったのに、年を重ねて「なんだか最近頬のシミが増えてきた」という人も多いのではないでしょうか?

市販品を使ったセルフケアでも、シミを薄くしたり、新たなシミができるのを予防したりすることは可能です。

本記事では顔にできてしまったシミに対するセルフケア方法を詳しく解説します。

この記事でわかること
  • シミの改善には市販の飲み薬、シミの予防には薬用化粧品も活用できる
  • 抗酸化力の高い食べ物・飲み物もシミ対策につながる
  • シミを短期間で消したい場合は美容皮膚科・美容クリニックで治療を受ける

顔にできるシミは種類によって対策法が異なる

シミとひと口に言っても、その種類はさまざま

まずは気になっているシミがセルフケアで改善が可能なシミかどうかを確認しましょう。

▼種類ごとのセルフケアの可否
セルフケアで薄くなる可能性があるシミ ・老人性色素斑
・炎症後色素沈着
・肝斑
セルフケアで薄くならないシミ ・雀卵斑(そばかす)
・ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)
▼種類ごとのセルフケアの可否 顔のシミを図版で解説しています。老人性色素斑や肝斑、炎症後色素沈着などの説明です。

セルフケアで薄くなる可能性があるシミ

セルフケアで薄くなる可能性があるシミは、「老人性色素斑」「炎症後色素沈着」「肝斑」の3種類です。

老人性色素斑

紫外線が原因でできる一般的なシミで、40歳以降の人に多く見られます。
できてしまったシミには、ビタミンCやL-システインといった内服薬、ハイドロキノンクリームなどがおすすめです。

炎症後色素沈着

ニキビや傷など肌に炎症が起こった後にできる色素沈着です。
もともと一時的な色素沈着ではありますが、ビタミンCなどの内服薬やハイドロキノンクリームなどを使ったセルフケアも効果的です。

肝斑

頬骨の上などに左右対称に現れるシミで、ぼんやりとした形状が特徴です。
トラネキサム酸などの肝斑改善成分を含む内服薬が有効といわれています。

セルフケアで薄くならないシミ

セルフケアで薄くならないシミは「そばかす」や「ADM」です。

そばかすやADMを消したい人は、クリニックで治療を受けるのがおすすめです。

そばかす

そばかすは遺伝的な要因で発生することが多く、一度出現するとセルフケアで消すことが難しいと言われています。

ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

ADMは皮膚の深層である真皮にできるため、セルフケアはおろか塗布剤や内服薬でさえも消すことができず、レーザー治療が推奨されています。

市販品のセルフケアでお金をかけずに顔のシミを消すには?

セルフケアでシミを完全に消すことは難しいですが、「シミを目立たなくしたい」「シミができないよう予防したい」という人は、以下のセルフケアを試してみるのがおすすめです。

1.美白有効成分が配合された市販の飲み薬・薬用化粧品を活用する

気になるシミが老人性色素斑、炎症後色素沈着、肝斑に該当する人は、有効成分が配合された飲み薬の服用や、美白化粧品を使用したセルフケア方法を試してみましょう。

飲み薬

ドラッグストアなどには、シミに効果があるとうたわれているさまざまな飲み薬が販売されているため、どれを買えばいいのか迷ってしまいますよね。

まずはパッケージに記載されている第1〜3までの「第〇類医薬品」の表示を確認しましょう。

この表記が無い場合は、栄養の補助を目的とした、サプリメントである可能性があります。

また、飲み薬は以下の有効成分が配合されているものがおすすめです。

シミに効果のある有効成分の例
  • ビタミンC(L-アスコルビン酸)
    メラニン色素の生成を抑えシミを予防する効果と、メラニンを還元化する作用によってシミを薄くする効果がある
  • ビタミンE
    肌のターンオーバーを促し、古い角質が除去されることで、シミやそばかす、色素沈着を緩和する
  • トラネキサム酸
    シミの元となるメラニン色素の生成を抑えるほか、抗炎症作用もある。肝斑や老人性色素斑、色素沈着など幅広く効果を発揮する

化粧品

市販されている薬用化粧品(医薬部外品)の中には「メラニン生成を抑え、シミ・そばかすを防ぐ」と記載されているものがあります。

これは「美白化粧品」とも呼ばれ、日焼けによるシミやそばかすの予防を目的としているものです。

すでにできてしまったシミを治せるものは「医薬品」にあたり、化粧品にはならないため注意が必要です。

シミの予防に効果のある有効成分は以下を参考にしてみてください。

シミ予防の有効成分の例
  • ハイドロキノン
    メラニンを作る酵素「チロシナーゼ」の働きを抑え、メラニンを還元化する作用によってシミを薄くする効果がある
  • トラネキサム酸
    炎症を引き起こすプラスミンというタンパク質の生成をおさえ、日焼けによるシミやそばかすを防ぐ
  • アルブチン
    メラニンがつくられる過程でチロシナーゼという酵素と結合し、メラニンの生成を抑える
  • ビタミンC誘導体
    体内の酵素の働きによりビタミンCに変化し、美白作用(メラニンの生成の抑制・メラニン色素の還元)や抗酸化作用を発揮する
  • ナイアシンアミド(ニコチン酸アミド)
    メラニンを含むメラノソームが肌表面へ移動するのを妨げることで、シミの出現を抑制する

上記のほかに、美容クリニックや美容皮膚科では、市販品よりも高濃度のハイドロキノンやトレチノインを配合した化粧品を扱っています

これらは効果が高い一方で、使用方法を誤ると逆にシミが濃くなることも。

使用する際は、必ず医師の指導に従うようにしましょう。

2.抗酸化力の高い食べ物や飲み物を積極的に選ぶ

飲み薬や薬用化粧品を使用しなくても、普段口にする食べ物や飲み物を抗酸化力の高いものに変えるだけで、シミ対策につながります

▼抗酸化力の高い食べ物・飲み物の例
栄養素 ポイント 食品の例
ビタミンC 水溶性で熱に弱い性質を持つので生で食べるのがおすすめ パプリカ、ブロッコリー、柑橘類、キウイ、いちごなど
ビタミンA 脂溶性のため、油を使用した炒め物や揚げ物、ドレッシングなどで食べるのがおすすめ レバー、卵黄、ニンジン、ほうれん草、うなぎなど
ビタミンE 脂溶性で酸化しやすいため、鮮度の良い状態・油を使う調理で食べるのが推奨されている 卵、大豆、アーモンド、オリーブオイル、アボカドなど
リコピン 空腹時の吸収率が高く脂溶性なので、食事の最初にオリーブオイルなどをかけて食べるのがおすすめ トマト、金時人参、スイカ、柿、マンゴーなど
ポリフェノール アルコールやカフェインはとりすぎると健康に害を及ぼすため、過剰摂取は避ける 赤ワイン、コーヒー、緑茶、ごぼう、ほうれん草など
Lシステイン 食品からはLシステインを僅かな量しか摂取できないため、L-システインを生成する「メチオニン」を含む食材を食べるのがベター 肉類、マグロ、カツオ、イワシ、牛乳、大豆製品、カシューナッツなど
エラグ酸

加熱や乾燥に強いため、ドライフルーツやナッツを間食として食べるのがおすすめ いちご、ラズベリー、ぶどう、くるみなど
フラボノイド

一度に大量に摂取するのではなく、少しずつ毎食取り入れる 大豆、タマネギ、緑茶、ココア、赤ワイン、ゴマなど
アスタキサンチン 毎日食べるのは難しいため、眼精疲労などを改善したい時に意識して摂取するのがおすすめ エビ、カニ、鮭、いくら、桜エビ、タイなど

※ポリフェノールの一種

3.紫外線対策を徹底する

新たなシミを予防して、一度消したシミを再発させないためには紫外線対策も重要です。

紫外線対策は「日焼け止めだけに頼らない」ことが最大のポイント。

日焼け止めの塗布だけでなく、帽子や日傘、サングラスやUVカットの衣料品などを活用し、物理的に日光を遮断することも大切です。

日焼け止めを選ぶ基準としては、普段使いはSPF5〜20、長時間屋外にいる時はSPF30〜50が目安となります。

普段使用するものは刺激が少ない「紫外線吸収剤フリー」の日焼け止めがおすすめです。

さらに、顔に塗布する際はパッケージなどに記載されている適量をしっかりと守りましょう

クリームタイプであればパール玉2つが目安です。

効率的にシミを消すには美容皮膚科で治療を受けるのが近道

シミをまるで無かったように消すには、クリニックや美容皮膚科で治療を受けるのが最も早い手段といわれています。

顔にできてしまったシミを消すために、クリニックで受けることができる代表的な治療法は以下の5つです。

▼クリニックで顔のシミを消す方法
レーザー治療 頑固なシミをピンポイントに除去
光治療(IPL) シミを含む複数の肌悩みをじっくり改善
ケミカルピーリング 角質を取り除き肌の新陳代謝を促す
イオン導入・エレクトロポレーション 肌の奥深くに有効成分を届ける
内服薬・外用薬 体の内側・外側からシミにアプローチ

ここでは各治療法に関して、シミを消すメカニズムや施術方法を詳しく解説します。

1.レーザー治療

レーザー治療が向いている人

頑固なシミをピンポイントに消したい人

いわゆる「シミ取りレーザー」のことで、短いパルス幅でシミにレーザーを照射し、熱や衝撃波でシミのメラニン色素を破壊する治療法です。

パルス幅とは?
患部にエネルギーを照射する時間のこと。パルス幅が短いほどエネルギーを効率的に照射することができる。

このほか広範囲のそばかすや肝斑には、低出力のレーザーを均一に照射する「レーザートーニング」が用いられます。

パルス幅の短いピコレーザーよりも効果はやや実感しにくいですが、肝斑やシミなどの状態によっては、レーザートーニングが推奨される場合もあります。

詳しい情報は、シミ取りレーザーに人気のおすすめクリニック記事を参考にしてください。

2.光治療(IPL)

光治療(IPL)が向いている人

シミ・小ジワ・毛穴などのさまざまな肌悩みを、長いスパンで治療したい人

シミだけでなく小ジワや毛穴の開き、赤ら顔などの肌悩みも一緒に治療したいという人におすすめの治療法が光治療です。

光治療ではIPLという広い波長の光を顔全体に照射し、シミの原因であるメラニン色素にダメージを与えます

光はターゲットであるメラニンにのみ反応し、分解されたメラニンは肌の新陳代謝によって排出される仕組みです。

光治療は、施術時の痛みが少なく、傷にもならないメリットがある一方、シミを消すためには3〜4週間に一度の施術を5回程度受ける必要があります。

3. ケミカルピーリング

ケミカルピーリングが向いている人

ほかの治療法とあわせてシミを消したい人

ケミカルピーリングは、肌にグリコール酸やサリチル酸などの薬剤を塗布し、皮膚の角質層をはがすことで、肌のターンオーバーを促す治療法です。

長年日光に当たることでできるシミや、日焼け後のシミに効果があるとされています。

一方で、遺伝的要因が強いそばかすや、紫外線や女性ホルモンの乱れによって生じる肝斑、炎症によって生じた色素沈着の治療は難しいと言われています。

ケミカルピーリングは施術後にヒリヒリとした痛みが残ることがありますが、レーザー治療などと比較して痛みが少ないことが特徴です。

ケミカルピーリングのみでシミを消すには、数ヶ月から年単位の期間を要することもあるため、別の施術と併用するのがおすすめです。

参考:「ケミカルピーリング」(日本皮膚科学会)、「日本皮膚科学会ケミカルピーリングガイドライン(改訂第3版)」(日本皮膚科学会)

4.イオン導入・エレクトロポレーション

イオン導入・エレクトロポレーションが向いている人

治療やケミカルピーリングとあわせてより効果を高めたい人

イオン導入は、電気の力を活用し、薬剤の有効成分を肌の深部に浸透させる治療法です。

普段のスキンケアで化粧品を浸透させられるのは肌の角質までですが、イオン導入では真皮まで浸透させることができる点が大きなメリットです。

シミにはビタミンC誘導体やトラネキサム酸を導入させることが多いとされています。

エレクトロポレーションはイオン導入と同じメカニズムを利用した治療法ですが、薬剤の有効成分をさらに肌の深層まで浸透させることができます。

これらの治療法は電気を使用するため、施術中に肌がピリピリするように感じる人もいますが、痛みやダウンタイムはほとんどありません。

光治療やケミカルピーリングと組み合わせることで、効果をより高めることができるのも特徴とされています。

5.内服薬・外用薬

内服薬・外用薬が向いている人

    肝斑や出現して時間が経った濃いシミ、色素沈着をしっかり治療したい人

女性ホルモンの乱れが原因となり発生する肝斑などは、飲み薬や塗り薬による治療を取り入れる場合もあります。

肝斑などのシミはレーザー治療により悪化してしまう可能性もあるため、トラネキサム酸の飲み薬とハイドロキノンの塗り薬が処方されるケースが多いといわれています。

トラネキサム酸は紫外線によるメラニン生成を抑えることでシミ予防に効果を発揮し、「皮膚の漂白剤」とも呼ばれるハイドロキノンはシミの原因となるメラニン色素の合成を阻害します。

トレチノイン・ハイドロキノン併用療法とは?

ハイドロキノンとトレチノインを組み合わせて肌に塗布する治療法です。

トレチノインはビタミンA(レチノール)の誘導体で、角質をはがし、皮膚のターンオーバーを促す作用のある成分です。

トレチノインでメラニンの排出を促し、ハイドロキノンで新たなメラニンを作らせないようにすることで、効率的にシミを改善していきます。

トレチノインは強力な作用があるため、妊娠中・妊娠予定の人は使用できません。

顔のシミに関するよくある質問

ここからは、顔のシミに関する気になる疑問について解説していきます。

顔のシミは自然に消える?

一般的なシミは自然に消えることはありません

炎症後色素沈着であれば自然治癒も見込めますが、状態や体質によっては自然に治らない場合も。

また、肝斑は自然に薄くなったり消えたりする可能性がありますが、女性ホルモンが関係しているため消えるとしても閉経後(50〜55歳)であるケースが多いとされています。

肝斑や炎症後色素沈着は普通のシミと併発している場合も多いので、自分のシミが自然に消えるかどうか気になる場合はクリニックを受診し、医師に相談してみるのがおすすめです。

化粧品で顔のシミは消える?

化粧品で顔のシミを消すことはできません

先にも説明した通り、シミに効果があるとうたっているスキンケア化粧品は、あくまで「予防」を目的としたものです。

シミの原因となるメラノソームは肌の奥深くに存在しており、レチノールやビタミンC誘導体などの浸透力の高い成分が入った化粧品であっても、そこまで到達することはできません。

一方で、最近は自然にシミをカバーできるメイク下地やファンデーション、コンシーラーなどのラインナップが豊富です。

クリニックで治療するほど気になるシミでなければ、化粧品でシミを隠してしまうのも一つの手

中でも、ピンポイントでカバーできるコンシーラーを活用するのがおすすめです。

リキットファンデーションはファンデを塗布した後、パウダーファンデーションはファンデを塗布する前にコンシーラーを使いましょう。

コンシーラーをシミに塗布したら、少しだけ時間をおき、周囲だけをぼかします。

最後にヨレないよう、お粉で密着させれば自然にシミを隠せますよ。

中学生や高校生でも顔のシミを消せる?

中学生や高校生であっても顔のシミを消すことはできます

中高生の時期に肌に出現するシミは、そばかすである可能性が高いため、レーザーや光治療を受けるのが有効です。

ただし、未成年者の施術を断っているクリニックもあるため注意が必要。

保護者が署名した同意書の提出や、保護者同伴のうえで施術が受けられるクリニックもあるため、事前に公式サイト等で治療を受けるために必要なものを確認しておきましょう。

レモンやはちみつで顔のシミが消えるって本当?

レモンやはちみつを肌に塗ることで、顔のシミが消えることはありません

よって、この情報は嘘ということになります。

はちみつやレモンを原料とした化粧品は、肌に塗布してもいいように精製しています。

一方で、私たちが食品として摂取しているものにはアレルギーの原因となる物質や、さまざまな不純物が含まれています。

アレルギーの原因となる物質がダメージを受けた皮膚から入ることで「感作」が起こり、食品アレルギーの症状が誘発されるという研究結果も発表されています。

感作とは?

体内に入ってきたアレルギーの原因物質を免疫機能が異物と判断し、排除するためにIgE抗体という物質が作られ、皮膚や粘膜のマスト細胞(肥満細胞)に付着して待機している状態のこと。再びアレルギーの原因物質が体内に入ってくると、IgE抗体が反応してアレルギー症状が引き起こされる。

このように、肌に食品を塗布する行為は、食品アレルギーを招くリスクがあるため、レモンやはちみつに限らず絶対にやめましょう。

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