IPL脱毛は永久脱毛?メリット・デメリットからレーザー脱毛との違いまで解説

IPL脱毛をした後にポージングをしている女性

IPL脱毛とは、メラニンに反応する「インテンス・パルス・ライト」という光を照射し、毛を作る組織にダメージを与えることで、毛を抜けやすくする方法です。

IPLは美肌治療にも使われるため、一石二鳥のようなイメージがあり、受けようか悩んでいる人もいるのではないでしょうか?

しかし、脱毛サロンやセルフで行うIPL脱毛は永久脱毛ではありません

この記事では、IPL脱毛の特徴やメリットとデメリットを解説します。

この記事でわかること
  • IPL脱毛は、濃くて太い毛に効果が出やすく、比較的施術時間が短い
  • IPL脱毛は医療レーザー脱毛に比べ効果を実感できるまでに時間がかかる
  • IPL脱毛により美肌効果が得られる場合もあるが、フォトフェイシャルと同等の効果は期待できない
  • ※本記事は2024年12月時点の情報をもとにまとめています。

IPL脱毛とは光脱毛のひとつ

ここからは、IPL脱毛の仕組みについて解説します。

施術方法に対する理解を深めるため、しっかり確認しましょう。

IPL脱毛の仕組み

IPL脱毛の仕組み

IPL脱毛とは、IPL(Intense Pulsed Light/インテンス・パルス・ライト)を使った脱毛施術のことです。

IPLを肌に照射すると、毛根に含まれるメラニン(黒い色素)に光が吸収されて熱が発生します。

この熱によって、毛のもとになる「毛母細胞」や発毛を促す「バルジ領域」などにダメージを与えることで、ムダ毛が抜けやすくなったり生えにくくなったりします。

毛の構造

レーザー脱毛との違い

脱毛の施術には、IPLのほかレーザーも用いられます。

しかし、両者は効果や施術を受けられる場所などに違いがあります。

光の波長・性質

IPLはキセノンランプの発光で、幅広い波長の光が出ることが特徴です。

施術で得たい効果に応じて、フィルターを交換し、特定の波長が当たるようにすることもあります。

一方、レーザー脱毛に使われるレーザーは、単一の波長の光が使われます。

すべての光を一つの焦点に収束できる性質があるため、毛の黒い色(メラニン)に集中的に作用させることができるのです。

効果

医療脱毛とIPL(エステ)脱毛の違い

IPL脱毛もレーザー脱毛も、熱を使って毛母細胞やバルジ領域にダメージを与える点は同じです。

しかし、1回あたりの施術で期待できる効果は、レーザー脱毛のほうが高いとされています。

IPL脱毛は幅広い波長の光を照射しており、メラニンへの反応がレーザーよりも弱いためです。

脱毛サロンなどで行われるIPL脱毛は一時的な除毛・減毛を目的としており、肌への負担を抑えて、毛を作る組織を破壊しない範囲で行われます。

一方、医療脱毛はピンポイントにパワーを発揮するため、高い脱毛効果が期待できます。脱毛効果を感じるまでの期間が短く、ムダ毛がない状態を持続的に維持することが可能です。

施術場所

IPL脱毛は、主に脱毛サロンやエステティックサロン、セルフ脱毛サロン、家庭用脱毛器などで使われている方式です。

脱毛サロンやエステでIPL脱毛を受ける場合は、エステティシャンが施術を担当します。セルフ脱毛サロンや家庭用脱毛器など、自分で照射するケースもあるでしょう。

一方、レーザー脱毛は毛を作る組織を破壊するほど威力があり、組織を破壊する行為は医療行為とされているため、クリニックでしか受けられません

レーザー脱毛の施術は、国家資格を持つ医師、または医師の指示を受けた看護師に限られています。

レーザー脱毛を受ける場合は、医師の診察が必要です。

必要回数・期間

脱毛サロンなどでIPL脱毛を受ける場合、満足する結果を得るまでに12〜18回程度照射する必要があるとされています。

また、「毛周期」という毛が生え替わるサイクルに合わせて施術をする必要があるため、1〜3ヶ月の間隔で照射する必要があります。脱毛完了までの期間の目安は2年〜3年です。

▼毛周期のイメージ

脱毛の毛周期のイメージを表したgif

一方、レーザー脱毛の場合、満足する結果を得るまでに必要な回数の目安は、5〜8回程度となります。

脱毛完了までの目安は1年〜1年半程度です。

痛み

IPL脱毛はレーザー脱毛に比べ、痛みが少ないといわれています。

ただし、痛みには個人差があるので、部位や毛質などによってはゴムを弾いたような痛みを感じる場合があります。

脱毛サロンやエステで強い痛みを感じた場合、冷却などの対応は可能ですが、医療機関でないため麻酔の使用はできません。

一方、レーザー脱毛は高い出力で、毛乳頭やバルジ領域に熱ダメージを与えるため、バチッと強い痛みを感じる場合があります

そのため近年は「蓄熱式」という痛みが少ない照射方式が登場しているほか、麻酔の利用も可能です。

SHR脱毛やSSC脱毛などとの違い

光脱毛は、IPL脱毛以外にも「SHR脱毛」「SSC脱毛」などがあり、ムダ毛を生えにくくする仕組みはそれぞれで異なります。主な光脱毛の特徴について、違いを以下にまとめました。

▼IPL脱毛とSHR脱毛・SSC脱毛の違い
IPL脱毛 SHR脱毛 SSC脱毛
仕組み 光をメラニンに反応させ、生じた熱でダメージを与える 弱い光を繰り返し当て、毛包全体を温めてダメージを与える ジェルに含まれる成分と光の相乗効果で、毛の成長を抑制
ジェル あり
※冷却用
あり
※冷却用
あり
※抑毛成分配合
痛み レーザー脱毛より弱い IPL脱毛、SSC脱毛より弱い レーザー脱毛より弱い
即効性

SHR脱毛

SHR脱毛は、弱い光を連続で当てることでジワジワと温め、毛根を包んでいる皮膚組織「毛包」の全体にダメージを与える脱毛方法です。

他の脱毛方法と比較すると痛みが少ない一方、ムダ毛が抜けるのは遅く、施術後2〜3週間ほどかかるとされています。

SSC脱毛

SSCは「Smooth Skin Control(スムース・スキン・コントロール)」の略です。

SSC脱毛では、制毛成分を含むジェルを塗布してから、クリプトンライトを照射します

光を照射することで、制毛成分が溶けて、熱によって開いた毛穴に浸透します。

光はジェルにのみ反応し、毛根に直接作用しないので、肌の負担が少ないことが特長です。

その反面、効果を感じるまで時間がかかり、5〜6回程度照射する必要があります。

その他

上記以外にもさまざまな脱毛方式が開発されています

  • THR脱毛
  • HIPL脱毛
  • HPL脱毛

THR脱毛・HIPL脱毛

THRはThermo Heat Remover(サーモ・ヒート・リムーバー)、HIPLはHigh Intensive Pulse Light(ハイ・インテンシブ・パルス・ライト)の略です。

どちらもSHR脱毛の一種で、長時間高い出力を維持しながら連射できるように開発された脱毛方式です。

THR脱毛では、赤外線領域の光をブレンドした光をスピーディーに連射し、毛乳頭やバルジ領域にダメージを与えます。

HIPL脱毛は、高出力の光を安定的に連射し、太い毛から細い毛までしっかりアプローチしていく方法です。

HPL脱毛

HPLは「Home Pulsed Light(ホーム・パルス・ライト)」の略です。

光に加えて、超音波の振動を与えることにより、ムダ毛を効率よくケアします。

サロン・セルフのIPL脱毛に永久脱毛効果はない

大きな窓の前で脇脱毛について考える女性

IPL脱毛は、脱毛サロンやエステサロン、セルフ脱毛、家庭用脱毛器(光美容器)など、幅広く使われている技術ですが、永久脱毛の効果はありません。

永久脱毛するためには毛をつくる組織を破壊しなくてはなりませんが、組織を破壊するのは医療行為に該当するため、行えるのは医療機関だけです。

そのため、脱毛サロンなどでは一時的な除毛・減毛を目的に、毛を作る組織を破壊しない程度の出力で施術を行います。

セルフ脱毛サロンの脱毛機や家庭用脱毛器(光美容器)も、自分でも安全に使えるように出力が抑えられています。

ムダ毛を目立ちにくくすることはできても、全く生えない状態を長期間維持するのは難しいでしょう。

家庭用脱毛器(光美容器)の効果について詳しくは以下の記事をご覧ください。
家庭用脱毛器は効果がないって本当?効果的な使い方や注意点も解説

IPL脱毛は毛が抜けるまでどれくらいかかる?

IPL脱毛後、毛が抜けるまでには2〜3週間程度かかるといわれています。

ダメージを与えられたことによって毛が成長しにくくなり、やがて自然に抜けていきます。

本当に抜けるのか気になっても、指や毛抜きで引き抜くことは避けてください

もし、新たに生えてきた毛を抜いてしまった場合は、次回の施術時に効果を得られなくなってしまいます。

また、肌や毛穴に負担をかけることにより、埋没毛毛嚢炎が起こるリスクもあります。

IPL脱毛のメリット

IPL脱毛のメリットには、以下の3つがあります。

IPL脱毛のメリット
  1. 脇やVIOなど濃く太い毛に強い
  2. 施術時間が比較的短い
  3. 美肌効果も期待できる

1. 脇やVIOなど濃く太い毛に強い

IPLはメラニン色素に反応するため、脇やVIOなど毛が濃い部位に優れた効果を発揮します

そのため、毛の濃い部位を部分脱毛しようと考えている人にとって、IPL脱毛は有効な選択肢といえるでしょう。

ただし、男性のヒゲの場合、IPL脱毛は不向きとされています。

男性のヒゲは毛の生えている向き(皮毛角)が垂直に近く、毛根が深いため、IPLが届きにくいのです。

少ない回数でヒゲを脱毛したい場合は、肌の奥深くまで届く「ヤグレーザー」を使った医療脱毛を検討してみるとよいでしょう。
ヤグレーザー脱毛は効果ある?痛みや仕組み、回数について解説

2. 施術時間が比較的短い

IPLで全身脱毛をする場合、1回の施術時間は20〜60分が目安です。

IPL脱毛は広範囲に光を照射できるため、他の方式よりも施術時間が短いとされています。

そのため「忙しいから短時間で施術してほしい」という人にはIPL脱毛が向いているでしょう。

なお、機械に冷却機能がついていて、施術にジェルを使用していない脱毛サロンのほうが、1回の施術時間が短い傾向にあります。

3. 美肌効果も期待できる

IPL脱毛には、IPLの作用により多少の美肌効果も期待できるといわれています。

IPLが持つ500〜1200nmの波長には、シミやくすみにアプローチできる波長(560nm程度)も含まれているためです。

また、照射時に熱刺激が加わることによって、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンの産生が促されると考えられています。

IPL脱毛のデメリット

IPL脱毛のデメリットには、以下の3つがあります。

IPL脱毛のデメリット
  1. 白髪・金髪・産毛などには適さない
  2. ほくろや日焼けしている部位には使用できない
  3. 部位によっては痛みを感じる場合がある

白髪・金髪・産毛などには適さない

IPL脱毛は、メラニン色素が少ない白髪や金髪、産毛には効果が期待できません。

IPLは毛の黒い色(メラニン)に反応する仕組みのため、白髪・金髪・産毛などメラニンがない、または少ない毛には反応しにくいためです

白髪や金髪を脱毛したい場合は「針脱毛」が選択肢に挙がります。

針脱毛とは、毛穴の奥に直接針を差し込み、電流を流して毛乳頭を破壊する脱毛方法です。

ほくろや日焼けしている部位には使用できない

火傷のリスクがあるため、IPL脱毛はほくろや日焼けしている部分には照射できません

ほくろがある部分にIPLを当てるときは、シールを貼って直接光が当たらないようにすることが多いです。

また、日焼けをすると施術自体を断られるケースがあります。

IPL脱毛する場合は、日焼けをしないよう、日頃から紫外線対策を徹底しましょう。

なお、ほくろや日焼けしている部位以外にも、以下の場所はIPLを照射できない場合があります

IPLを照射できない部位の例
  • ・タトゥーがある部位
  • ・肌がひどく乾燥している部位
  • ・赤みや傷(傷跡)、ニキビがある部位
  • ・シミ・そばかす、肝斑がある部位
  • ・美容整形(糸リフトやインプラントなど)をした部位

部位によっては痛みを感じる場合がある

IPL脱毛は、部位によってはゴムで弾かれたような痛みを感じることがあります。

特に骨に近く皮膚が薄い部位や、毛が太くて濃い部位は、痛みを感じやすいとされています。

脱毛時の痛みの目安は以下の通りです。

非常に強い痛み VIO
軽い痛み〜強い痛み 脇、顔、足(脚)
平均的な痛み 手の甲・指、足の甲・指
軽い痛み 腕、胸・お腹・お尻

痛みを緩和するには、肌を保湿することが有効です。

肌がかさつくと、刺激に敏感になるため、痛みを強く感じることがあります。

脱毛期間中は、保湿に特化したアイテムを使うといいでしょう。

IPL脱毛に関するよくある質問

IPL脱毛に関する質問についてお答えしていきます。

IPL脱毛とフォトフェイシャルの違いは?

IPL脱毛とフォトフェイシャルでは、施術する目的が違うため、照射する波長が異なります

フォトフェイシャルとは、IPLを使ってシミやそばかす、炎症後色素沈着などの改善を目指す治療です。

560〜1200nmの複数の波長を同時に照射でき、フィルターで照射する波長を調節すれば、さまざまな肌悩みに対応することが可能です。

一方、脱毛用のIPLの機械は、脱毛に適した600〜960nmの波長が出るように調整されています

IPL脱毛とフォトフェイシャルでは、得られる効果が異なるので、自分の肌悩みに合ったほうを選びましょう。

脱毛するならIPLとレーザーどちらがいい?

少ない回数でツルツルな肌を目指すなら、レーザー脱毛がおすすめです。

クリニックでもIPL脱毛を導入しているところはあるものの、医療用レーザーと比較すると脱毛効果は劣ると考えられています。

単一波長ではないためメラニンへの選択性は脱毛用レーザーと比較すると劣るが,1 回あたりの照射面積が広く,レーザーと比較して痛みも少ない.脱毛用レーザーと比較すると脱毛効率はやや劣る.

出典:「テキスト美容医療診療指針(令和三年度改訂版)」(美容医療診療指針作成分科会)

IPL脱毛は家庭用脱毛器でも効果はある?

IPLが照射できる家庭用脱毛器(光美容器)でも、一時的にムダ毛を目立たなくする効果はあるとされています

ただし、1〜2週間ごとのケアを3ヶ月以上継続することが推奨されており、短期的な使用で効果が出るものではない点に注意が必要です。

使用をやめれば徐々に元の状態に戻るため、定期的なケアを続けられる人には家庭用脱毛器も有効といえるでしょう。

詳しくは以下の「家庭用脱毛器」について解説した記事も参考にしてください。
家庭用脱毛器は効果がないって本当?効果的な使い方や注意点も解説

IPL脱毛でシミ・そばかすは消える?

IPL脱毛によって、シミやそばかすが薄くなるケースもありますが、すっかり消えてキレイになるほどの効果は期待できません

あくまで副次的な効果であり、シミ取り治療と同等の効果は期待できないでしょう。

IPL脱毛は脱毛に適した波長域に調整されており、シミ・そばかすに効果的な波長が多く出るわけではありません。

また、シミ・そばかすを消すにはメラニン色素を破壊しなくてはなりませんが、組織を破壊する行為は医療行為となります。

シミを消したいなら、美容皮膚科など医療機関でフォトフェイシャルやレーザートーニングなどシミ取り治療を受けるようにしましょう。

初めての医療脱毛ならジュノ(JUNO for WOMEN)がおすすめ

JUNOの施術風景

この記事では、IPL脱毛について解説しました。

IPL脱毛は、痛みを抑えた施術が可能ですが、効果が出るまでに時間がかかります。

短期間でツルツルの美肌を目指したいなら、医療脱毛を検討するといいでしょう。

ジュノ(JUNO for WOMEN)では、強力な冷却機能付きの医療レーザー脱毛機を導入しており、痛みを抑えて脱毛できます

また、医療脱毛の中でも刺激が少ない「蓄熱式(SHR)」で照射することも可能です。

全身脱毛にはローン不要の月額会員制を採用しているので、ローンを組みたくない人や自分のペースで通いたい人にもおすすめです。

顔・VIOを含む全身からお好みの箇所を選べる「1回体験プラン」は9,800円※です。

「初めて医療脱毛をするから不安」という人でも気軽に体験できるので、ぜひこの機会にお試しください。


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参考文献・URL

美容医療診療指針(令和三年度改訂版)」(美容医療診療指針作成分科会)

フラッシュライトとレーザーの違い」(日本スキン・エステティック協会)

美容皮膚科ガイドブック 第3版」(中外医学社)

家庭用の脱毛器の使用にご注意!」(東京都消費生活総合センター)

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