医療脱毛とエステ脱毛の違いとは?比較して選びたい6つの基準

脱毛には、医療機関が行う「医療脱毛」と、医療機関以外が行う「エステ脱毛」があります。

医療脱毛とエステ脱毛の最も大きな違いは脱毛機器のパワーです。

そのため、脱毛効果や回数、料金、痛みなどにも違いがあるとされています。

この記事では、医療脱毛とエステ脱毛の違いをはじめ、併用や乗り換え、選び方などについて詳しく解説していきます。

医療脱毛とエステ脱毛にはどんな違いがある?

医療脱毛は医療行為として毛を生やす細胞を破壊するため、高出力の脱毛機器を使用しています。

一方、エステ脱毛では毛を生やす細胞を破壊してはならないため、低出力の脱毛機器を使うことが大半です。

医療脱毛とエステ脱毛を比較すると、以下のような違いがあります。

医療脱毛とエステ脱毛の違い


医療脱毛クリニック
(医療脱毛)
脱毛サロン
(エステ脱毛)
脱毛方式 レーザー脱毛が主流
※光脱毛、ニードル(電気)脱毛を行う医療機関もある
光脱毛(フラッシュ脱毛、美容ライト脱毛)が主流
脱毛機のパワー 強い〜非常に強い 弱い
脱毛効果 永久減毛
※長期的に毛が生えないようにする
一時的な抑毛・減毛
※一時的に成長を抑制する
完了までの回数・期間の目安 5〜8回程度(1年〜1年半程度) 12回〜18回程度(2〜3年程度)
脱毛料金(単価) 単価:サロン脱毛より割高 単価:医療脱毛より割安
脱毛料金(総額) 総額:サロン脱毛より割安 総額:医療脱毛より割高
施術者 医師または医師の指示を受けた看護師 エステティシャン
トラブルへの対応 診察・薬の処方が可能 店舗での対応はできない
痛み 比較的強い
(バチッとした痛みを感じる人も)
比較的弱い
(感じない〜ゴムで軽く弾いた程度)

では、項目別にもう少し詳しく見ていきましょう。

1.脱毛方式の違い

医療脱毛クリニックではレーザー脱毛、脱毛サロンでは光脱毛が主に採用されています

レーザー脱毛も光脱毛も、毛根の黒い色(メラニン)に反応する光を当て、そこで発生した熱を使って脱毛を促します。

しかし、クリニックとサロンでは、使用する光の波長や強さ(照射エネルギー)が異なるのです。

医療脱毛(レーザー脱毛)

レーザーは一定の波長でひとつの方向に規則的に向かう性質があるので、メラニンに吸収されると強い熱エネルギーとなります

医療脱毛で使用するレーザーには主に

の3種類があります。

各レーザー紹介

波長が短いほどメラニン色素に強く反応するので、アレキサンドライトレーザーは高い脱毛効果を得られますが、色黒肌や色素沈着を起こした部位には使えません。

そこで、日焼けや色素沈着の部位には、波長が長いヤグレーザーなどを使います。

ダイオードレーザーには、幅広い肌質・毛質に対応しており、痛みも少ないという特徴があります。


レーザーの種類と特徴

レーザーの種類 波長 特徴
アレキサンドライトレーザー 755nm(普通) ・メラニンに反応しやすく、効率的に毛根の発毛組織を破壊する
・色黒肌や色素沈着を起こした部位には使えない
・色の薄い産毛には効果が出にくい
・ダイオードよりも痛みは強い
ダイオードレーザー 800〜940nm(普通) ・痛みは少ないが、アレキサンドライトよりも脱毛効果はやや劣る
・多少の色黒肌には使えるなど、幅広い肌質・毛質に対応
ヤグレーザー 1064nm(深い) ・メラニンへの反応は弱いが肌の奥深くにまで届く
・色黒肌や色素沈着を起こした部位にも使える
・アレキサンドライトよりも痛みが強い

エステ脱毛(光脱毛)

現在、光脱毛の主流となっているIPL(インテンス・パルス・ライト)脱毛は、レーザーと同様にメラニンに反応する特殊な光を使います

産毛には反応しづらく、日焼けや色素沈着、ほくろのある部位には使えません。

このほかにクリプトンライトと制毛成分を含むジェルを併用する「SSC脱毛」、弱い光を連射して発生させた熱で抑毛する「SHR脱毛」もあります。

光脱毛の主な種類

脱毛方式 光の種類・光源 特徴
IPL脱毛 インテンス・パルス・ライト
(光源:キセノンランプ)
・メラニンに反応する光を当てて、毛根にダメージを与える
・太く濃い毛に反応しやすく、産毛には反応しづらい
・日焼けや色素沈着、ほくろなどには照射できない
SSC脱毛 クリプトンライト ・制毛効果のあるジェルを光で浸透させて毛の成長を抑制する
・痛みが弱い
・効果を実感できるまでに時間がかかる
SHR脱毛 インテンス・パルス・ライト
(光源:キセノンランプ)
・弱い光を連続照射して、毛根をじわじわ温めてダメージを与える
・痛みが弱い
・効果を実感できるまでに時間がかかる

2.脱毛効果の違い

腕脱毛医療とエステの違い

医療脱毛は毛を生やす細胞をレーザーで破壊するため、毛が生えてこない状態を長期間(10年以上)キープすることが可能です。

ただし、脱毛によって一生毛が生えてこないと証明するのは困難です。

そのため、医学的には現在「永久脱毛」ではなく、「永久減毛」(毛周期を超えて毛量があきらかに減った状態が長く続く)という定義が用いられています。

一方、エステ脱毛の場合は毛を生やす細胞を壊さないので、毛が生えてこない効果はあくまで一時的なものとなり、数年後には再び毛が生えてくる可能性があります

ちなみに、脱毛サロンには「永久保証」を設けているところもありますが、これは永久脱毛が可能ということではありません。

保証期間内であれば、また生えてきても施術を受けられるというものがほとんどなので、注意しましょう。

毛は「生えてくるもの」と思い、こまめにチェックして施術を受けるとキレイな状態が長持ちします。

3.脱毛にかかる期間・回数の違い

医療脱毛の場合、威力が強いレーザーを使うため、脱毛完了までの期間はエステ脱毛に比べて短く、通う回数も少なくなる傾向があります。

だいたい3回ほどで効果を感じ、5〜8回くらいで満足する状態になります。

一方、エステ脱毛では3〜6回ほどで効果を感じはじめ、12〜18回くらい通って完了とする人が多いようです。

ただし、医療脱毛・エステ脱毛ともに
・毛が濃い部位(ワキ、VIOなど)
・産毛(顔、お腹、背中など
は、回数や期間がかかることが多いといわれています。

また、一回で全身に照射できない施設の場合、通う回数が増えることがあるので注意が必要です。

部位ごとの脱毛期間・回数の目安

部位 医療脱毛 エステ脱毛
8回程度 (1年半程度) 18回程度 (3年程度)
5〜8回程度 (1年〜1年半程度) 12〜18回程度 (2〜3年程度)
5〜8回程度 (1年〜1年半程度) 12〜18回程度 (2〜3年程度)
背中・お腹 5〜8回程度 (1年〜1年半程度) 12〜18回程度 (2〜3年程度)
VIO 毛を残す:5〜8回程度 (1年〜1年半程度)
ハイジニーナ:8回以上 (1年半以上)
毛を残す:12〜18回程度 (2〜3年程度)
ハイジニーナ:18回以上 (3年以上)
5〜8回程度 (1年〜1年半程度) 12〜18回程度 (2〜3年程度)
全身(顔・VIOを除く) 5〜8回程度 (1年〜1年半程度) 12〜18回程度 (2〜3年程度)

※必要期間・回数は毛質や毛量、肌質、脱毛機などにより異なる。

4.脱毛料金の違い

財布を持ち医療脱毛の料金について悩む女性

全身(顔・VIOを含む)を脱毛する場合、医療脱毛は5回で20〜40万円程度、エステ脱毛は12回で20〜40万円程度が主流となっています。

1回あたりの金額で見れば脱毛サロンの方が安く感じられますが、また毛が生えてきた際に通うことなども考えると、実際にはもっと費用がかかる可能性があります。

一方、医療脱毛は毛が生えない状態を長く維持できるので、総額ではエステ脱毛よりも割安になるケースがあるでしょう。

ちなみに、直近1年以内に脱毛サロンやクリニックを利用した女性460人に利用総額を聞いた調査では、脱毛サロンが23万3,102円、脱毛クリニックでは21万7,147円となっています(※)。

医療脱毛もエステ脱毛も、毛量や毛質、肌質などによって効果に個人差があります。

全身プランに含まれる部位や回数、キャンセル料など脱毛以外にかかる追加料金の有無などをしっかり検討してから選ぶとよいでしょう。

※出典:株式会社リクルートの美容に関する調査研究機関「ホットペッパービューティーアカデミー」の調査「男女のムダ毛・脱毛に関する意識調査2018」より

5.施術者の違い

医療脱毛とエステ脱毛では、脱毛を行う施術者にも違いがあります。

医療脱毛は医療行為にあたるため、医師または医師の指示を受けた看護師が施術を行います

医療機関であれば、痛みが強い場合の麻酔の使用、万が一肌に炎症などのトラブルが起きた場合も診察や薬の処方が可能です。

一方、エステ脱毛では施術者の資格要件はなく、エステティシャンが施術を行うのが一般的ですが、独自資格を設けてエステティシャンを教育しているサロンもあります。

エステ脱毛に国家資格はありませんが、民間資格には「認定美容脱毛エステティシャン」「CPE(認定電気脱毛士)」「脱毛士」などがあります。

6.施術に伴う痛みの違い

脱毛で感じる痛みは、レーザーや光を照射した際に毛根で発生する熱が肌に伝わったものです。

医療脱毛ではバチッとした痛み、エステ脱毛ではゴムを弾いたような痛みを感じることがあります。

医療脱毛のほうがエステ脱毛に比べて痛いといわれるのは、レーザーの威力が強いためです。

とはいえレーザー脱毛機も以前に比べて進化しており、冷却機能つきなど痛みを抑える工夫がされた機種も登場しています。

また、痛みの感じ方には個人差があり、部位によっても異なるので、施術者が声をかけながら施術することが一般的です。

クリニックやサロンでは下記のような痛み対策がとられています。

脱毛時の痛み対策
    ・照射直前の冷却

肌を冷やすことで痛みを感じにくくします。
最近では、冷却機能付きの脱毛機も登場しています。
冷却機能がない脱毛機の場合は、保冷剤を当てて照射部位を冷やします。


    ・脱毛機の調整

1人ひとりの毛量や毛質、肌質に合わせて脱毛機の設定を調整し、なるべく痛みを感じないように照射を進めます。


    ・麻酔(医療脱毛のみ)

主に麻酔クリームと笑気麻酔が使われます。
麻酔クリームは塗るタイプの麻酔薬で、照射の30〜60分前に塗ると施術時の痛みが軽減されます。
笑気麻酔は、亜酸化窒素を含む「笑気ガス」を吸入する方法で、すぐにリラックス状態になり痛みなどの刺激を感じにくくなります。

このように、医療脱毛には我慢できない痛みに対して麻酔を使えるメリットがあります

エステ脱毛は痛みが弱いとされますが、さまざまな波長の光が周囲の肌に直接影響する可能性があり、部位や肌の状態によっては強い痛みを感じる人もいます。

痛みが強い場合、冷却などの対策は可能ですが、麻酔は使えないので注意しましょう。

医療脱毛とエステ脱毛を併用してもいい?

医療脱毛とエステ脱毛の併用を禁じるルールはないので、併用すること自体は可能です。

ただし、脱毛効果が高い医療脱毛を問題なく行っている人は、エステ脱毛を併用する必要はないでしょう。

「サロンでワキ脱毛中だけど医療に切り替えたい」ような場合も、並行して同じ部位の施術を受けることはおすすめできません。

短期間に同じ部位の施術を受けると、効果が早く出るどころか、肌への負担が大きくなるからです。

そのほか、医療脱毛とエステ脱毛の併用には、以下のようなデメリットがあります。

医療脱毛とエステ脱毛を併用するデメリット
  • 部分脱毛の組み合わせによっては総額が高額になる
  • 同時期に同じ部位の施術を受けると脱毛効果は出ず、肌へのダメージとなる
  • 脱毛のスケジュール管理が複雑になる
  • 万一肌トラブルがあった際に保証やサポートが受けられないリスクがある

医療脱毛やエステ脱毛の併用については以下の記事で詳しく解説しています。
医療脱毛クリニックや脱毛サロンは掛け持ちできる?併用の注意点とは

エステ脱毛から医療脱毛に乗り換えてもいい?

エステ脱毛の契約期間内でも契約終了後でも、医療脱毛に乗り換えることは可能です

エステ脱毛から医療脱毛への乗り換えには以下のようなメリット・デメリットがあります。


メリット デメリット
  • 自己処理不要な状態を目指せる
  • クリニックによっては「乗り換え割」が使える
  • 回数によっては総額が高額になる
  • 産毛の状態になっている場合は、回数・期間がかかる

大きなメリットは、医療脱毛によって毛が生えない状態を長期間保てるようになる点です。

さらに、「乗り換え割」といった乗り換えによる割引があるクリニックもあります

ただし、毛量や毛質、肌質によって必要な回数は個人差があり、すでに処理が進んで産毛になっているところは、通常のレーザー脱毛では時間がかかる傾向があります。

そのため、産毛にも効果を発揮するとされる蓄熱式脱毛(SHR)ができるクリニックを選ぶのもひとつの手です。

乗り換える場合、肌の状態によっては間隔を空ける必要があるため、脱毛の最終施術日を控えておくようにしましょう。

エステ脱毛から医療脱毛への乗り換えについては以下の記事で詳しく解説しています。
医療脱毛クリニックや脱毛サロンは掛け持ちできる?併用の注意点とは

医療脱毛とエステ脱毛どっちがいい?選び方のポイント

スマホを見ながら脱毛について悩む女性

ここまで説明してきたように、医療脱毛とエステ脱毛にはそれぞれ特徴があります。

これから脱毛を始める人は、自分に合うのはどちらなのか、以下を参考に検討してみましょう。


医療脱毛が向いている人 エステ脱毛が向いている人
  • 自己処理から解放されたい
  • できれば短期間で脱毛から卒業したい
  • トータルコストを重視する
  • 今よりも自己処理がラクになればOK
  • 長期間通い続けることは苦にならない
  • 安く始めたい

医療脱毛とエステ脱毛の見分け方

医療脱毛とエステ脱毛は、名称や運営者、医師の常勤の有無などから見分けられます


医療脱毛 エステ脱毛
  • 名前に「医療脱毛」「クリニック」「医院」が含まれる
  • 医師が常勤している
  • 医療法人や個人、公益法人(一般社団法人、一般財団法人など)が運営していることが多い
  • Webサイトなどで「脱毛サロン」「脱毛エステサロン」「美容脱毛専門サロン」と説明されている
  • 医師が常勤していない
  • 会社(株式会社・有限会社など)が運営していることが多い

医療脱毛は医療機関が行うため、名称に「クリニック」「医院」「美容皮膚科」といった言葉が含まれていることが多く、医療法人や個人、公益法人などが運営しています。

また、医師が常勤しているかどうかもポイントです。

一方、エステ脱毛は「脱毛サロン」「脱毛エステサロン」「美容脱毛専門サロン」といった名称で、会社が運営していることが多いです。

クリニック・サロン選びのポイント

クリニックやサロンを選ぶ際は、以下のポイントをチェックするとよいでしょう。


通いやすさ

脱毛完了までには、医療脱毛でも5〜8回程度は通う必要があるので、通いやすさは重要です。

自宅や職場、学校などから近いところにあるかどうかを確認してみましょう

系列の施設ならどこでも施術が受けられるところであれば、引っ越しや転勤などにも対応できるので安心です。


予約のとりやすさ

毛周期に合わせて計画的に予定を組めるかどうかも大切なチェックポイントです。

以前は「予約がなかなかとれない」という口コミなども見られましたが、近年は予約をとりやすくする工夫をしているところも多くあります

たとえば、ジュノビューティークリニックは施術時間が短い脱毛機を使うことで、予約枠を大幅に増やしています。


脱毛機の種類

医療脱毛とエステ脱毛の脱毛方式が違うだけでなく、個々のクリニック・サロンで使用している脱毛機にもいろいろあります。

  • 即効性
  • 産毛への効果
  • 日焼け肌
  • 色素沈着部分にも照射ができるか
  • 痛みの程度
  • 施術時間の長さ
の何を重視するのかによって適する脱毛機は変わってきます。

自分の希望に合った脱毛機があるクリニック・サロンを選ぶとよいでしょう


費用

クリニックやサロンによって、プランに含まれる対象部位は異なります。

値段の安さでプランを選んだとしても、希望する部位が脱毛できなかったら本末転倒です。

また、脱毛完了までの回数や期間には個人差があります。

脱毛したい部位を伝えて、必要な総額は事前にしっかり把握しておきましょう

さらに、キャンセル料や剃り残しのシェービング代、クリニックの麻酔代など追加費用が発生しないかも大切です。

気になるサロンやクリニックが見つかったら、施設に足を運んで無料カウンセリングを受け、雰囲気やスタッフの対応を確認してみるとよいでしょう。

手軽な値段のところが増えてきたといっても、長い期間かかる脱毛は納得できる場所で受けたいものです。

クリニックやサロンの特徴だけでなく、自分のニーズもしっかり把握して、安心できるところで輝く素肌を手に入れましょう。

参考

「医師免許を有しない者による脱毛行為等の取扱いについて」(平成13年11月8日付医政医発第105号
「美容ライト脱毛の定義」(一般社団法人日本エステティック振興協議会)
「なくならない脱毛施術による危害」(平成29年5月11日/独立行政法人国民生活センター)
Dierickx CC, Grossman MC, Farinelli WA, Anderson RR:Permanent hair removal by normal-mode ruby laser. Arch Dermatol,134:837-842,1998