鼻プロテーゼのデメリットとは?起こり得るリスクと確認点を解説

鼻プロテーゼは鼻筋の高さを出しやすい施術として知られていますが、人工の素材を鼻の中に置き続ける施術でもあります。

この記事では、報告されているリスクの内容と割合、時間の経過で起こり得る変化、他の隆鼻術と比べたときのデメリット、そしてカウンセリングで確認しておきたい点を整理します。

メリットとの兼ね合いで判断できるよう、数値の出どころも合わせて示します。

この記事の要約

  • 鼻プロテーゼのデメリットは、人工素材を長期間にわたって鼻の中に留置し続ける前提にあります。
  • 27研究・3,803症例の解析では、全体の合併症率2.75%、感染1.91%、露出0.78%、偏位0.72%と報告されています。
  • シリコンインプラントの再手術率は7.64%と報告があり、入れ替えや抜去を検討する可能性があります。
  • ヒアルロン酸注入や自家組織移植とはデメリットの種類が異なるため、目的に合わせて比較します。
  • 受けられない場合もあるため、素材やサイズ、修正時の対応方針は診察で確認することが大切です。

鼻プロテーゼのデメリットは異物を入れ続けること

鼻プロテーゼの最も大きなデメリットは、体にとって異物である人工素材を、長い期間そのまま鼻の中に置き続けることです。ここから、感染や位置のずれといった、他の隆鼻術にはない種類のリスクが生まれます。

一方で、鼻筋の高さや通り方を狙った形に作りやすく、注入のように短期間で吸収されることもありません。デメリットだけを見て避けるのではなく、得たい変化の大きさとリスクを並べて比べる施術と考えると判断しやすくなります。

また、検討を始める前に、隆鼻術(鼻プロテーゼ)が次の条件で行われる施術であることを押さえておく必要があります。

  • 健康保険が使えない自由診療で、費用は全額自己負担となる
  • 使用するプロテーゼ(SA・UN・SI)は国内で承認されていない医療機器で、医師が韓国のメーカーから個人輸入している
  • 同一の成分・性能を持つ国内承認医薬品・医療機器は存在しない
  • 医薬品副作用被害救済制度の対象外となる
  • 腫れ・痛み・内出血のほか、異物感・熱感・発熱・だるさ・かゆみ・頭痛が起こることがある

国内未承認の機器を使う施術では、万一の健康被害が生じたときに公的な救済制度を利用できません。この点は、デメリットを考えるうえで最初に確認しておきたい前提です。

もう一つ押さえておきたいのは、プロテーゼは皮膚の下に置かれた状態が続くという点です。手術で挿入したあとは、体の側にプロテーゼを包む膜が作られ、その中で位置が保たれます。この膜の状態や、上を覆う皮膚の厚みが、後々の見え方や触れたときの感触に関わってきます。

そのため、デメリットを検討するときは「手術そのものの負担」と「入れたあとに長く付き合う条件」を分けて考えると整理しやすくなります。

腫れや痛みは時間とともに落ち着きますが、異物を留置していることに由来する条件は、抜去しない限り続きます。

鼻プロテーゼで起こり得る主なリスク

鼻プロテーゼで報告されているリスクは、大きく分けて感染に関わるもの、インプラントの位置や形に関わるもの、仕上がりの感じ方に関わるものの3つです。それぞれ起こり方も対処も異なります。

  • 感染:術後の腫れや痛みが引かず、赤みや熱感が続く場合がある
  • インプラントの偏位:プロテーゼの位置が本来の場所からずれる
  • インプラントの露出:皮膚が薄くなり、プロテーゼが透けたり突き出したりする
  • 被膜拘縮:プロテーゼを包む膜が硬くなり、鼻筋の硬さや違和感につながる
  • 仕上がりが希望と異なる:高さや形の印象が想像と違うと感じる

感染は術後の早い時期に起こることもあれば、しばらく経ってから現れることもあります。

プロテーゼは血流のない人工物のため、細菌が付着すると薬だけでは対応しきれず、抜去が必要になる場合があります。腫れや赤み、熱感が引かずに続くときは、経過を待たずに相談することが必要です。

被膜拘縮は、プロテーゼを包む膜が厚く硬くなることで起こります。鼻筋の硬さや、押したときの動きの少なさとして感じられることがあります。偏位は、外からの力や膜の縮み方によってプロテーゼの位置が本来の場所からずれる状態で、正面から見た鼻筋の通り方に影響します。

これらがどのくらいの割合で報告されているかについては、鼻背の隆鼻に使われる高分子素材の合併症をまとめたシステマティックレビュー・メタアナリシスがあります。27研究・3,803症例を対象とした解析で、報告された割合は次のとおりです。

報告された合併症 発生率
全体の合併症 2.75%
感染 1.91%
露出 0.78%
偏位 0.72%
過矯正 0.49%

この数値は27研究・3,803症例をまとめた解析によるもので、素材、術式、報告された時期によって幅があります。

数字だけを見ると小さく感じられるかもしれませんが、起こったときには再手術や抜去が必要になる場合があります。割合の低さを理由に「起こらない」と受け取らず、起きたときにどう対応するかまで含めて考えておくことが大切です。

皮膚が薄い人・鼻先への負担

鼻先の皮膚が薄い場合や、鼻先まで高さを出す設計のプロテーゼを選んだ場合は、皮膚が内側から押される力が大きくなりやすくなります。皮膚が薄い部分に強い力がかかり続けると、透けや突き出しにつながることがあります。

プロテーゼには、鼻筋だけに沿う形状と、鼻先まで伸びる形状があります。鼻先まで支える形状は鼻先の高さも同時に変えられる一方、鼻先の皮膚に力がかかり続けることになります。どの形状を選ぶかは、希望する変化だけでなく、皮膚の厚みや鼻先の状態を踏まえて判断されます。

そのため、高さの希望をそのまま形にするのではなく、皮膚の厚みや鼻先の状態に合わせて設計を調整する必要があります。どのような設計でも露出が起こらないと言い切れるものではないため、鼻先の高さを出したい場合は、そのリスクを含めて医師と相談してください。

なお、鼻先の丸みが気になる場合は、プロテーゼで高さを足すのではなく、鼻先そのものを整える施術のほうが目的に合うことがあります。どちらが適しているかは、鼻先が丸く見える原因によって変わります。

将来的な入れ替え・抜去の可能性

前述のメタアナリシスでは、再手術率が全体で6.40%、シリコンインプラントでは7.64%と報告されています。これは比較された素材のなかで最も高い数値でした。

再手術の理由は感染や偏位だけでなく、仕上がりの修正を希望する場合も含まれます。入れたプロテーゼが半永久的に同じ状態で維持されるとは限らず、将来的に入れ替えや抜去を検討する可能性がある施術だと理解しておくことが大切です。

鼻プロテーゼは「取れない」「一生もの」ではない

「一度入れたら取れない」「一生そのまま使える」という受け取り方をされることがありますが、どちらも正確ではありません。プロテーゼは抜去や入れ替えが検討される施術です。

ただし、抜去や入れ替えは初回の手術と同じ条件で行えるとは限りません。一度手術を受けた部位は組織が変化しているため、位置の調整や新しいプロテーゼの固定が初回より難しくなる場合があります。

抜去を選んだ場合も、手術前とまったく同じ状態に戻るわけではありません。プロテーゼを包んでいた膜が残ることや、長く入っていた部分の皮膚や組織が変化していることがあります。抜去後の鼻筋の見え方については、実際に診察したうえで説明を受ける必要があります。

そのため、修正が必要になった場合に院内の保証で対応されるのか、自費での再手術になるのかは、初回の手術を決める前に確認しておきたい項目です。保証の有無だけでなく、対象となる期間や条件も合わせて聞いておくと、後から想定外の費用が生じにくくなります。

「一生もの」という言い方は、入れ替えの必要がないという意味ではなく、吸収されずに形が保たれるという性質を指していることが少なくありません。言葉の受け取り方に幅があるため、説明を受けるときは、どのような状態になったら再手術を検討するのかを具体的に確認しておくと安心です。

他の隆鼻術と比較した鼻プロテーゼのデメリット

鼻筋を高くする方法はプロテーゼだけではありません。ヒアルロン酸注入や自家組織の移植と比べると、持続の考え方も、注意すべきデメリットの中身も変わります。

施術 持続の考え方 主なデメリット
鼻プロテーゼ 抜去・入れ替えをしない限り形状が保たれる 感染、偏位、露出、被膜の硬さなど異物によるリスクがある
ヒアルロン酸注入 時間とともに吸収され、繰り返し注入が必要になる 血管が詰まることによる皮膚の壊死や視力障害が報告されている
自家組織移植 自分の組織を使うため異物への反応は起こりにくい 組織を採取した部位に傷や負担が生じ、吸収や変形が起こり得る

どれかが一律に優れているわけではなく、変えたい部位、希望する高さ、許容できるダウンタイムによって検討する施術が変わります。

注入によるリスクは頻度こそ高くないものの、起きたときの影響が大きいことが知られています。軟部組織充填剤に関連した失明の症例報告をまとめたシステマティックレビューでは、190例の失明例が確認され、うち53例(28%)がヒアルロン酸によるものと報告されました。鼻や眉間は、血管の走行の関係で注意が必要な部位として繰り返し挙げられています。

自家組織移植は、自分の耳や鼻中隔、肋骨の軟骨を使う方法です。異物への反応が起こりにくい一方、組織を採取する部位にも手術が必要になり、そこにも傷や負担が生じます。また、移植した軟骨が時間とともに吸収されたり、わずかに形が変わったりする可能性があります。

このように、3つの方法は「リスクが多いか少ないか」ではなく、リスクの種類が違うと考えるほうが実態に近くなります。プロテーゼのデメリットが気になるからといって他の方法に置き換えれば解決するとは限らず、どの負担なら受け入れられるかという視点で比べることが大切です。

デメリットを抑えるために確認しておきたいこと

デメリットをゼロにすることはできませんが、事前の確認で判断材料を増やすことはできます。カウンセリングでは、次の点を具体的に質問してみてください。

  • 担当する医師の経験と、自分と近い鼻の状態の症例
  • 使用するプロテーゼの素材・形状・サイズと、それを選んだ理由
  • 鼻先まで高さを出す設計かどうかと、皮膚の厚みの評価
  • 感染や偏位が起きた場合の対応の流れ
  • 修正・抜去が必要になった場合の費用と保証の条件

質問への答え方も判断材料になります。希望をそのまま肯定するだけでなく、鼻の状態から見て難しい点や、選んだ設計の理由まで説明してもらえるかどうかを確認してください。説明の内容が分かりにくいまま日程を決めてしまうと、後から確認しづらくなります。

受けられない可能性があるケース

体の状態によっては、施術の時期をずらしたり、別の方法を検討したりする場合があります。代表的なものは次のとおりです。

  • 鼻やその周囲に感染がある、または感染症の治療中である
  • 出血しやすい体質や、血液をさらさらにする薬を服用している
  • 妊娠中・授乳中である
  • 持病の状態が安定していない、または服薬内容の調整中である

ここに当てはまるからといって、必ず受けられないと決まるわけではありません。反対に、当てはまらなくても診察の結果で見送りを勧められることがあります。可否の判断は診察によります。

鼻プロテーゼにかかる費用

鼻プロテーゼは自由診療のため、費用は全額自己負担です。手術そのものの料金だけでなく、麻酔の種類や術後の通院、将来の修正にかかる費用まで含めて考える必要があります。

隆鼻術(鼻プロテーゼ)の料金は施術ページに掲載されています。局所麻酔を含む料金が設定され、静脈麻酔を選ぶ場合は別途費用がかかります。金額は改定される場合があるため、検討時点の表示を必ず確認してください。

隆鼻術(鼻プロテーゼ)の料金プランはこちらで確認できます。

総額を考えるときは、手術料金に加えて次の項目を確認しておくと、想定との差が生じにくくなります。

  • 麻酔の種類による料金の違い
  • 術後の診察や抜糸にかかる費用が料金に含まれるかどうか
  • 処方される薬の費用
  • 経過を確認するための再診の回数
  • 修正・入れ替え・抜去が必要になった場合の費用と保証の条件

また、入れ替えや抜去が必要になった場合、初回とは別に費用が発生することがあります。費用が変わる要因の詳しい考え方は「鼻整形の値段は何で変わる?」の記事で解説しています。

鼻プロテーゼに関するよくある質問

鼻プロテーゼのデメリットを調べる方から寄せられることが多い質問をまとめました。個別の判断は診察によって変わります。

鼻プロテーゼは何年で入れ替えが必要ですか?

何年で入れ替えが必要になるかを、一律の年数で示すことはできません。

位置のずれや被膜の硬さ、皮膚の状態は人によって進み方が異なるためです。

定期的に経過を確認し、変化が見られた時点で入れ替えや抜去を検討するのが基本的な考え方になります。気になる変化があれば、年数にかかわらず診察を受けてください。

鼻プロテーゼが入っているか外見で分かりますか?

皮膚の厚みに対して大きすぎるサイズや、鼻筋の形に合わない形状を選ぶと、輪郭が浮いて見えることがあります。

反対に、皮膚の状態に合わせてサイズと形状を設計すると、外見から分かりにくくなります。ただし、経過や体質には個人差があり、絶対に分からないと言い切ることはできません。

デメリットが不安な場合、他の施術を選ぶべきですか?

どの施術が向いているかは、どこをどう変えたいかによって変わります。

鼻筋全体の高さを出したい場合と、鼻先の丸みだけを整えたい場合では、検討する施術が異なります。

注入や自家組織移植にもそれぞれ別のデメリットがあるため、置き換えれば解決するとは限りません。最終的な判断は、鼻の状態を診察で確認したうえで相談してください。

まとめ

鼻プロテーゼは鼻筋の高さを出しやすい施術ですが、人工の素材を体内に置き続けることが前提になります。

感染や偏位、露出、被膜の硬さといった変化は報告されており、シリコンインプラントの再手術率は7.64%とされています。一生そのままではなく、入れ替えや抜去を検討する可能性を含めて考えることが大切です。
デメリットを比べるときは、リスクの有無だけで判断せず、希望する変化の大きさ、皮膚の厚み、修正時の費用負担まで一緒に確認しておくと迷いにくくなります。
鼻の状態や既往によっては施術を見送る場合もあります。自己判断で決めず、診察で素材やサイズ、修正時の対応方針まで確認してください。

参考・出典

鼻背隆鼻に用いる高分子素材の合併症に関するシステマティックレビュー・メタアナリシス https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9033909/

軟部組織充填剤に関連した失明のシステマティックレビュー https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC6554164/

ジュノビューティークリニック 美容外科(鼻)料金ページ https://www.shinjukubc.com/price/surgey_3