埋没法が取れたらどうなる?原因と対処法・受診の目安と再施術の判断
埋没法の二重ラインが浅くなった、消えた、あるいは糸のようなものが見えると感じると、多くの方が不安になります。
まず知っておきたいのは、見た目の変化と、糸が皮膚や粘膜側に出てくる状態とでは、必要な対応が異なるという点です。
この記事では、「取れた」と感じる状態の見分け方、すぐに受診を検討したい症状、糸が残る場合の考え方、再施術や抜糸・切開への切り替えの判断材料を整理します。
自己判断で様子を見る前に、状態を確認するための参考としてご覧ください。
この記事の要約
- 埋没法後に二重の幅が狭くなったりラインが消えたりする状態は、糸のゆるみなどが関わっている場合があり、必ず元の状態に戻るとは限りません。
- 糸が皮膚や結膜側に出てきた場合は見た目だけの問題にとどまらず、角膜を傷つける合併症が報告されているため注意が必要です。
- 目の痛みや充血、まぶしさ、異物感が続く場合や糸が見える・触れる場合は、早めに施術を受けた医療機関か眼科へ相談することが勧められます。
- 埋没法の糸は体内で吸収されないため、抜糸しない限りまぶたに残り、状態によって左右差や炎症が続くことがあります。
- 再施術の方法にはやり直し・抜糸のみ・切開への切り替えがあり、どれが適するかはまぶたの状態を診察したうえで判断されます。
埋没法が取れたらどうなるのか
「埋没法が取れた」と感じる状態の多くは、二重のラインが浅くなる、あるいは消えるといった見た目の変化として現れます。
一方で、糸が皮膚や粘膜側に出てくる場合は、見た目だけの問題ではなく、対応の緊急性も異なります。
二重のラインが浅くなったり消えたりした場合でも、必ず元のまぶたに戻るとは限らず、経過は状態によって異なります。
まずは自分がどの状態に近いかを確認し、必要に応じて施術を受けた医療機関へ相談することが次の一歩になります。
埋没法が「取れた」と感じる状態
「埋没法が取れた」という言葉は、実際には異なる複数の状態を指して使われています。まずはどの状態に近いかを、次のように分けて考えてみましょう。
二重の幅が狭くなった・ラインが薄くなった
二重の幅が狭くなった、あるいはラインが以前より薄く感じられる状態です。
まぶたの腫れが引く過程や、まぶたの脂肪・厚みの変化などが関わっている場合があり、原因を一つに断定することはできません。
この段階では強い症状を伴わないことが多いですが、変化が続く場合は診察で確認してもらうと安心です。
二重のラインが消えた
二重のラインが完全に消えて、一重に近い状態に戻ったように見える場合です。
埋没法で使う糸がゆるむことが、二重ラインの後退や消失につながりうることを示す報告もあります。
ただし、ラインが消える背景は糸のゆるみだけとは限らず、まぶたの状態や経過によっても異なります。
左右差が出た
片方だけラインの幅が変わった、あるいは片方だけ消えたと感じる場合です。
左右のまぶたはもともと厚みや脂肪の付き方が異なることが多く、糸のかかり方や経過の違いが左右差として表れることがあります。
糸が皮膚側や結膜側に出てきた
まぶたの皮膚を糸の先端が突き破って見える、あるいはまぶたの裏側(結膜側)に糸が出てくる状態です。この状態は見た目の問題にとどまりません。
埋没法後に糸が露出したことをきっかけに受診した患者を対象とした報告では、露出した糸が角膜を傷つけ、角膜上皮障害や角膜潰瘍に至った例が確認されています。
この状態は自己判断で様子を見る対象ではなく、早めの受診が必要です。
埋没法後に糸が取れる・ゆるむ主な原因
糸が取れる、あるいはゆるむ背景にはいくつかの要因が関わると考えられており、特定の行動だけが原因と断定できるものではありません。
次のような点が、まぶたの状態や経過に影響しうる要因として挙げられます。
- まぶたを強くこする、圧迫するなど、まぶたへの強い刺激
- まぶたの厚みや脂肪量
- 加齢や体質によるまぶたの皮膚のたるみ
- 体重や体調の変化
- 設定した二重幅とまぶたの状態との関係
- 糸のかけ方や施術の方法
これらは一般に考えられている要因であり、どの要因がどの程度影響するかは人によって異なります。
原因を自分で決めつけず、気になる変化があれば施術を受けた医療機関に相談してみましょう。
埋没法施術後にすぐ受診したほうがよい症状
次のような症状がある場合は、経過を見るのではなく、早めに医療機関へ相談することが勧められます。
糸の露出をきっかけに受診した患者を対象とした報告では、これらの症状が重なって現れていました。
- 目の痛みが続く
- 充血が続く、または悪化する
- 光をまぶしく感じる
- 涙が止まらない、涙が増える
- 目に異物感がある
- まぶたやまつげの近くに糸が見える、触れる
- 目やにが増えた
- まぶたが赤く腫れている
- 見え方に違和感がある
これらの症状は、埋没法後の糸の露出が背景にある場合、当初はドライアイやウイルス性角膜炎、アレルギー性結膜炎と診断されていた例も報告されています。
受診の際は、埋没法を受けた時期や施術内容を医師に伝えることで、診断や対応がスムーズになります。
別の報告では、埋没法後に目のトラブルで受診した患者において、角膜表面の傷や角膜潰瘍のほか、眼球の内部に及ぶ損傷が起こることもあると確認されています。
これは合併症で受診した患者を対象にした報告であり、埋没法を受けた人全体に一般的に起こることを示すものではありませんが、該当する症状がある場合は放置せず受診してください。
埋没法で糸が取れた後の注意点とできること
二重のラインが変化した場合、糸をそのままにしたときに起こりうること、取れたと感じたときの対処の流れ、再施術・抜糸・切開への切り替えという選択肢の3点を順に確認します。
取れた糸はまぶたに残る
埋没法で使う糸は、体内で自然に吸収される糸ではありません。そのため、二重のラインが変化した場合でも、抜糸をしない限り糸自体はまぶたの中に残ります。
残った糸をそのままにしてよいか、抜糸が必要かは、まぶたの状態やラインの変化の程度によって異なり、診察を受けたうえで判断されます。
糸に関連する合併症は重瞼術後の合併症の一つとして分類されており、体に害はない、あるいは一生問題ないと言い切れるものではありません。
そのままにした場合に起こりうること
糸を残したままにした場合、左右差が残る、あるいは糸が皮膚や結膜側に露出して炎症や異物感が続くといったことが起こることがあります。
他院で受けた埋没法後に糸に関連する合併症で抜糸手術を受けた日本人患者116例・210眼を対象とした報告では、抜糸のみで対応した例が12例(10.3%)、抜糸に加えて二次的な二重まぶた手術も行った例が104例(89.7%)でした。
この報告は合併症で受診し抜糸手術を受けた患者を集めたものであり、埋没法を受けた人全体に起こる割合を示すものではありません。
取れたと感じたときの対処の流れ
「取れたかもしれない」と感じたときは、自己処置をせず、次のような流れで確認を進めることが勧められます。
- 自分でまぶたを触ったり、糸を引っ張ったりしないようにする
- 施術を受けた医療機関に連絡し、状態を伝えて診察の予約を取る
- 痛みや充血、異物感など目の症状がある場合は、眼科の受診もあわせて検討する
- 変化に気づいた日付や見た目の様子を写真や記録として残しておく
市販の目薬や自己流のケアで解決しようとせず、まずは状態を確認してもらうことが、その後の判断をスムーズにします。
再施術・抜糸・切開への切り替え
二重のラインが変化した場合の選択肢には、同じ埋没法でのやり直し、抜糸のみ、切開を伴う術式への切り替えがあります。
どれが適するかは、まぶたの状態やこれまでの施術内容を踏まえて診察で判断されます。
| 選択肢 | 主に検討される状況 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 同じ埋没法でやり直す | ラインが浅くなった・消えたが、まぶたの状態が大きく変わっていない | 残っている糸の扱い、繰り返しによるまぶたへの負担 |
| 抜糸のみを行う | 糸の露出や炎症など、糸自体を取り除く必要がある | 抜糸後にラインをどうするか、再施術の要否 |
| 切開を伴う術式に切り替える | 繰り返しラインが変化する、まぶたの状態的に埋没法が適さない | 傷跡やダウンタイム、費用の違い |
実際にどの方法が向いているかはまぶたの状態や希望によって異なるため、診察で相談してください。
再び二重整形を行う際の選択肢
再施術の方法には、同じ埋没法でのやり直し、抜糸のみ、切開を伴う術式への切り替えがあり、それぞれ検討される状況や確認したい点が異なります。
同じ埋没法でやり直す場合
残っている糸をそのまま利用するか、抜糸してから新たに施術するかは、事前に医療機関へ確認しておく必要があります。
また、まぶたへの操作を繰り返すことで負担が積み重なったり、左右差が残ったりする可能性もあります。
やり直せる回数の目安については、根拠となる情報が十分に確認できていないため、回数を決めつけずに医師へ相談することをおすすめします。
抜糸だけを行う場合
糸を取り除くことを目的とした処置です。二重のラインを作り直すことよりも、糸による症状や露出への対応を優先する場合に検討されます。
抜糸後のラインの見え方はまぶたの状態によって変わるため、事前に医師と相談しておくと安心です。
切開を伴う術式に切り替える場合
埋没法を繰り返してもラインが安定しない場合などに、切開を伴う二重まぶた手術への切り替えが検討されることがあります。
ただし、切開にすれば取れない、半永久的だと保証できるものではありません。
傷跡が残る可能性やダウンタイムの長さ、費用の面でも埋没法とは違いがあるため、術式ごとの特徴は比較を扱った記事もあわせて確認することをおすすめします。
埋没法で糸を取れにくくするために術後にできること
施術後の過ごし方は、二重のラインの経過に影響しうると考えられていますが、指示内容は医療機関によって異なります。ここでは一般的に案内されることが多い内容にとどめます。
- まぶたを強くこすったり、必要以上に触れたりしない
- 医療機関から指示された期間は、アイメイクやコンタクトレンズの扱いに注意する
- 腫れや違和感が続く場合は自己判断せず医療機関に相談する
- 経過観察や再診の案内があれば指示どおりに受診する
これらを行ったからといって、糸が取れないと保証されるわけではありません。具体的なケア内容は、実際に施術を受けた医療機関の指示に従ってください。
埋没法に関するよくある質問
ここでは、本文で触れきれなかった疑問のうち、術後に多く寄せられる質問について整理します。
取れるまでの期間はどれくらいですか?
二重のラインがどのくらいの期間で変化するかについては、示せる十分な根拠が確認できていません。
期間には個人差があり、一律の年数を断定することはできないため、持続期間について詳しく知りたい場合は、別記事もあわせてご確認ください。
気になる変化があれば、経過を医療機関で確認してもらうことをおすすめします。
片目だけ取れた場合はどうなりますか?
片方の目だけラインが変化した場合も、原因を自己判断で決めつける必要はありません。
まぶたの厚みや脂肪の付き方は左右で異なることがあり、経過に差が出ることがあります。
見た目の左右差が気になる場合は、両目の状態を医療機関で診察してもらい、対応を相談することが勧められます。
まとめ
「埋没法が取れた」と感じる状態には、二重のラインが浅くなる・消えるという見た目の変化と、糸が皮膚や結膜側に出てくる状態があり、両者では必要な対応が異なります。
とくに糸の露出は見た目だけの問題ではなく、目の症状につながる可能性があるため、様子を見るのではなく早めの相談が大切です。
埋没法の糸は体内で吸収されないため、抜糸しない限りまぶたに残り、そのままにすることが適切かどうかは診察で判断されます。
再施術ややり直し、抜糸、切開への切り替えのどれが向いているかも一律には決まりません。
気になる変化があれば自己判断で放置せず、施術を受けた医療機関や眼科に相談し、経過や対応方法をよく確認しておきましょう。
参考・出典
埋没法の糸のゆるみと二重ラインの後退・消失について検討した技術論文(J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2022) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34896040/
埋没法後の糸露出による角膜合併症14例の後ろ向き研究(Aesthetic Plast Surg. 2023) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37653179/
埋没法後の眼障害で受診した12例の報告(J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2021) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34226132/
他院での埋没法後に糸関連合併症で抜糸手術を受けた116例210眼の後ろ向き研究(Plast Reconstr Surg Glob Open. 2016) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/27622107/
重瞼術の合併症分類に関するレビュー(Facial Plast Surg. 2020) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33368082/