髭剃りによる肌荒れの原因と治し方・予防法を徹底解説
髭剃り後に赤みやヒリヒリ感、赤いブツブツを伴う肌荒れが起こった場合、適切な手順でケアを行うことで、多くは数日から1週間程度で自然に治ります。
特に赤いブツブツが出ている時は、手で触ったり潰したりしないように注意し、清潔と保湿を徹底することが重要です。
この記事では、髭剃りによる肌荒れの原因や治し方、繰り返さないための予防のポイントについて解説します。
- この記事でわかること
-
- カミソリ負けの原因は角質層のダメージ
- 肌荒れ対策は保湿が基本
- 肌荒れ予防は正しい髭剃りから
- 根本解決したいなら医療脱毛も選択肢
- ※本記事は2025年12月時点の情報をもとにまとめています。
- ※記事内の金額は税込の表示となります。

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髭剃りによるカミソリ負けの原因

髭剃り後の肌荒れは、一般的に「カミソリ負け」と呼ばれますが、症状によって原因は異なります。
カミソリ負けの原因は、大きく分けて以下の3種類に分類できます。
1.カミソリによる刺激【赤み・ヒリヒリ感】
髭を剃った直後から数時間後に現れる赤みやヒリヒリとした痛みの原因は、カミソリによる刺激と考えられます。
髭剃りの際にカミソリの刃が肌表面の角質層を削り取り、肌を保護するバリア機能が失われることで、小さな刺激にも過敏に反応してしまうのです。
切れ味の悪い刃やシェービング剤を使わない髭剃り、過度な深剃り・逆剃りも要因となります。
2.細菌感染【赤いブツブツ】
髭剃りの後、毛穴に赤いブツブツができたり、膿を持ったニキビのような症状が現れたりした場合、毛嚢炎(もうのうえん)が疑われます。
カミソリによってできた細かな傷から黄色ブドウ球菌などの常在菌が侵入し、感染・炎症を起こしたことが原因です。
毛嚢炎が悪化・慢性化した場合、「尋常性毛瘡(じんじょうせいもうそう)」と診断されることもあります。
不潔なカミソリの使用や髭剃り後の傷の放置も感染の原因となるので注意が必要です。
3.髭剃りによる慢性的な刺激【乾燥・敏感肌】
赤いブツブツなどの症状が治まっても常に肌がかさついたり、突っ張ったりする感覚がある場合、肌の防御力が慢性的に下がってしまっている可能性があります。
毎日の髭剃りによって角質層が削られ続けると、肌が本来持つ水分保持能力が慢性的に低下してしまいます。
乾燥によってバリア機能はさらに低下し、わずかな刺激にも過敏に反応してしまうだけでなく、細菌感染が起こった場合に重症化しやすい状態です。
髭剃り後の肌荒れの治し方
髭剃り後に肌荒れを起こした場合、症状によって適切な対処法が変わります。
特に赤いブツブツなど細菌感染が疑われる場合に判断を誤ると症状が長引く可能性があるので注意してください。
ここでは、肌荒れを早く治すための具体的な対処法を解説します。
以下に挙げたセルフケアで改善しない場合は、速やかに医療機関を受診しましょう。
【赤み・ヒリヒリ感がある場合】冷やして炎症を鎮静する
肌荒れでヒリヒリとした熱を持っている、またはかゆみがあるといった症状は、主にカミソリによる刺激で炎症が起きた状態です。
この場合は、冷やすことで炎症が抑えられ、腫れや赤みを軽減できます。
清潔なタオルやハンカチで包んだ保冷剤を、15分程度肌に当てましょう。
保冷剤では硬くて肌に密着しづらい場合は、氷を入れたポリ袋をタオルやハンカチで包むのも効果的です。
ただし、長時間にわたって冷やし続けると血流が悪くなり、症状の改善が遅くなる可能性があるため注意しましょう。
【全症状共通】保湿でバリア機能の回復を促す

髭剃り後に肌荒れを起こしている場合は、症状の有無にかかわらず、洗顔や入浴後にローションやクリームでしっかりと保湿を行うことが大切です。
肌荒れは肌のバリア機能が低下した状態であるため、水分と油分を適切に補ってあげる必要があります。
肌荒れを起こしている肌は刺激に敏感になっているため、ローションやクリームを塗る際は強くこすらず、優しく肌になじませるように塗ることが大切です。
ローションなどの保湿剤は、塗り残しやムラがないように、まんべんなく塗りましょう。
- 肌荒れ中はワセリンもおすすめ
-
肌荒れやカミソリ負けを起こしている場合は、敏感肌用の製品やワセリンなどの使用をおすすめします。
特にワセリンは不純物をほとんど含まず、肌への刺激が少ない保湿剤です。
高い保湿力でバリア機能が傷ついた肌を保護する効果が期待できるため、敏感な状態の肌に適しています。
【炎症がある場合】症状が治まるまで髭剃りを控える
カミソリ負けの症状が出ている場合、可能な限り、髭剃りを控えましょう。
すでに肌が傷ついて、炎症を起こしている状態にもかかわらず髭剃りを繰り返すと、さらに症状が悪化する可能性があります。
特に赤いブツブツ(毛嚢炎)がある場合は、症状を広げないためにもできるだけ髭剃りを控えることをおすすめします。
とはいえ、仕事やプライベートな理由などで、どうしても髭を剃らなければならないケースがあるかもしれません。
その場合、1日おきに髭を剃る、休日だけ髭剃りを休むなど、髭剃りの回数を減らすのもひとつの方法です。
ダメージを受けた角質層の回復期間を確保することは、症状の早期改善につながります。
【症状が続く・悪化する場合】皮膚科を受診する

保湿ケアを行う、髭剃りを控えるなどのセルフケアを行っても改善しなかったり、悪化したりする場合は、早めに皮膚科を受診しましょう。
肌荒れを放置すると症状が悪化し、回復が遅くなるリスクがあるため注意が必要です。
特に、赤いブツブツができて膿を持っている場合や、次第に悪化してきている場合は「毛嚢炎(毛包炎)」(もうのうえん)を発症している可能性があります。
その場合、毛嚢炎の原因となる細菌に応じて、内服薬や外用薬の処方、排膿(切開して膿を出す)など、専門的な治療が必要となるケースもゼロではありません。
肌が荒れている場合は自己判断をせず、医師による正確な診断と適切な処方を受けることで、早期の肌荒れ改善が期待できるでしょう。
カミソリ負けを予防する髭剃りのポイント
髭剃りによる肌荒れを防ぐには、毎日のルーティンの見直しも不可欠です。
カミソリ負けは、誤った剃り方と、肌に負担をかける日常の習慣が積み重なって起こります。
ここでは、肌への負担を最小限に抑える正しい髭剃り方法と、肌荒れを繰り返さないための日常的な予防習慣をまとめて紹介します。
正しい方法で髭剃りを行う
肌荒れを防ぐためには、正しい方法で髭剃りを行うことが大切です。
以下は、カミソリを使った基本的な髭剃りの方法です。
自己流になりがちな髭剃りを見直し、肌荒れを未然に防いでいきましょう。
1.剃る前にぬるま湯と蒸しタオルでヒゲを柔らかくする

髭剃りによる肌荒れを防ぐ最初のステップは、肌を清潔にし、髭を柔らかくすることです。このひと手間により、カミソリ負けの原因となる刃と肌の摩擦を大幅に軽減できます。
まず、髭剃りを行う前には、ぬるま湯で洗顔し、皮脂やホコリなどの汚れを取り除きましょう。これにより、毛穴からの細菌感染のリスクを軽減する効果が期待できます。
ぬるま湯で洗顔すると髭が水分を含んで柔らかくなり、剃りやすくなります。
余裕があれば、蒸しタオルで髭や肌を温めるワンステップを挟むのがおすすめです。
蒸しタオルで温めると、髭がさらに柔らかくなり剃りやすさが向上します。
また、毛穴が開き、深剃りせずに剃り残しを防ぐ効果も期待できるでしょう。
- 蒸しタオルの作り方
-
蒸しタオルは、全体的にしっかりと濡らしたタオルをやや固めに絞り、食品保存袋に入れ、電子レンジ(600W)で1分ほど温めると簡単に作れます。
電子レンジから取り出した直後は非常に高温になっているため、タオルが適温になるまで冷ましてから顔に当てましょう。
2.シェービング剤をまんべんなく塗り、肌と刃の摩擦を減らす

シェービングフォームやジェルなどのシェービング剤をまんべんなく塗ると、カミソリの刃と肌の摩擦が軽減され、肌荒れ防止につながります。
また、シェービング剤には刃の滑りをよくする役割もあり、肌へのダメージも軽減されます。
保湿成分や抗炎症成分が含まれているシェービング剤を使うことで、さらに肌への負担を減らせるので、購入の際は成分表もチェックしてみるとよいでしょう。
なお、肌に塗るシェービング剤の量が少ないと、カミソリの刃が直接肌に当たり、摩擦が強くなるため、肌荒れを引き起こしやすくなります。
「シェービング剤を塗っているのに肌が荒れる」という場合は、適量をしっかりと塗れているか確認しましょう。
3.腕に力を入れず毛の流れに沿ってやさしく剃る
髭剃り後の肌荒れを防ぐには、基本的に毛の流れに沿った「順剃り」を行うとよいでしょう。
カミソリの刃を肌に対してできるだけ水平に当て、毛の流れに沿って動かすと肌負担を軽減し、肌トラブルが起きにくくなります。
この時、カミソリの刃を強く肌に押し付けすぎると、肌を傷つけてしまうリスクが高まります。
肌が傷つくと炎症を引き起こしたり、黒ずみが生じたりする可能性があるため、注意が必要です。
髭を剃るときは力を入れすぎず、優しく肌を滑らせるようにしましょう。
4.剃り残しは最小限の逆剃りと「張り手」で対処する
毛の生えている方向に沿って剃ると、深剃りできないため剃り残しが起こることがあります。
剃り残しが気になる部分だけ、シェービング剤を再度塗布したうえで、毛の流れに逆らって剃る「逆剃り」を行いましょう。
さらに、仕上げに「張り手」を加えるのもポイントです。
張り手とは肌を軽く引っ張りながら剃る方法で、肌への負担を軽減しながら深剃りでき、毛穴に埋もれた短い髭まで剃り落とすことができます。
5.シェービング剤と髭を洗い流し、すぐに保湿する
髭剃り後の仕上げとして重要なのが、シェービング剤と髭をしっかりと洗い流すことです。
すすぎ残しがあると肌へ刺激となり、肌荒れやかゆみの原因になります。
生え際、あご、耳の前などのフェイスラインは、洗い残しが多い部位なので、洗い残しがないか鏡で入念にチェックしましょう。
また、髭剃り後のデリケートな肌を刺激しないよう、優しく洗い流すことを意識してください。
強くこすると、バリア機能が低下した肌をさらに傷つけてしまいます。
洗い流した後は、乾燥や炎症を防ぐために、すぐにアフターシェーブローションやクリームで保湿ケアを行いましょう。
保湿は、髭剃りによって失われたバリア機能の回復を助けるために欠かせません。
ローションで肌をしっかりと潤した後は、乳液やクリームを重ね塗りして水分を肌に閉じ込めることがポイントです。
- 髭剃り後に肌荒れしやすい人は抗炎症成分配合の製品がおすすめ
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特に乾燥肌や敏感肌には、抗炎症成分配合の製品がおすすめです。
代表的な抗炎症成分として、以下が挙げられます。
- グリチルリチン酸2K(グリチルリチンサンジカリウム)
- アラントイン
「髭を剃ると肌がヒリヒリする」「髭剃り後に肌が赤くなって痛い」といった炎症が気になる場合は、抗炎症成分配合のローションやクリームを取り入れてみましょう。
入浴時に髭剃りを行う
「蒸しタオルで温めるプロセスが大変」と感じる場合は、入浴時または入浴後に髭を剃るのも有効な方法です。
シャワーや湯船の蒸気によって髭が水分を含んで柔らかくなり、剃りやすくなります。
また、温かいお湯や蒸気は毛穴を開かせるため髭が立ち上がりやすくなり、カミソリの刃でとらえやすくなります。
ただし、髭を剃った後に、シャワーで洗い流すことは避けましょう。
シャワーの水圧が強すぎると、デリケートな肌に刺激を与えてしまい、角質層をさらに傷つける可能性があるからです。
加えて、お湯の温度が高すぎると肌に強い刺激となり、肌の乾燥や肌荒れを悪化させる恐れがあります。
洗い流す際はぬるま湯を使って優しく行い、肌を保護することが大切です。
カミソリの刃は清潔に保つ

カミソリを清潔に保つことは、髭剃りによる肌荒れを防ぎ、スムーズな剃り心地を維持するために重要です。
カミソリの刃に汚れや皮脂が付着したまま放置すると切れ味が悪くなり、肌に負担をかけてしまいます。
さらに、汚れた刃は雑菌が繁殖しやすく、肌トラブルを引き起こす可能性があります。
髭剃りに使用するカミソリを清潔に保つためには、以下の方法を実践しましょう。
- カミソリを清潔に保つ方法
-
- 1.使用後は必ず流水で洗う
- 2.軽く振って水気を切る
- 3.風通しの良い場所で自然乾燥させる
参考:脱毛前のカミソリ使用はNG?理由と正しい自己処理の方法を解説
1.使用後は必ず流水で洗う
使用後のカミソリは、付着した髭の毛くずや石鹸カス、皮脂などを流水でしっかりと洗い流しましょう。
複数の刃の間に詰まった汚れも、ていねいに取り除くことが大切です。
2.軽く振って水気を切る
洗った後のカミソリは軽く振り、余分な水気を落とせばOKです。
カミソリを水で洗い流した後にタオルで拭くのは避けましょう。
刃に細かな傷がつき、切れ味が悪くなるからです。
強く拭きすぎると、刃の配列がずれたり、刃自体が曲がったりすることもあります。
3.風通しの良い場所で自然乾燥させる
使用後のカミソリを乾燥させる際は、浴室を避け、乾燥した場所で保管するようにしましょう。
湿気が多いと、カミソリの刃に錆びも発生しやすくなります。
錆びた刃は切れ味が悪くなるだけでなく、肌を傷つける原因にもなるため、注意が必要です。
カミソリの刃は2週間程度で交換する
肌荒れを防ぐために、カミソリの刃は2週間程度で交換することが重要です。
同じカミソリを連続して使用すると、髭を剃る度に細かな刃の欠けが生じ、切れ味が徐々に悪くなっていきます。
切れ味が悪くなると、同じ場所に何度も刃を当てる必要があり、肌への負担が大きくなるのです。
およそ2週間(14回程度の使用)を目安に新しい刃に交換すれば、スムーズな剃り心地を保ち、肌への負担も抑えられます。
ただし、交換時期は、使用頻度や使用状況によっても異なるため、2週間以内であっても剃り心地が悪くなったら早めに交換を検討しましょう。
特に、刃に錆びや欠けが見られる場合は肌を傷つけるリスクがあるため、すぐに新しい刃に取り替える必要があります。
電気シェーバーに切り替える
カミソリでの髭剃りで肌荒れに悩んでいる人は、電気シェーバーへの切り替えも選択肢の1つです。
電気シェーバーは直接肌に触れにくい設計になっているものが多く、肌への負担が少ないため、髭剃りによる肌荒れを起こしにくくなります。
一方、カミソリは直接肌に刃を押し当てる構造になっているため、肌への負担が大きくなりがちです。
基本的に、電気シェーバーは剃る前の洗顔やシェービングジェルが不要なため、手軽にひげ剃りができるのも魅力です。
電気シェーバーにはさまざまなタイプがあり、肌に沿うように設計されたものや、小さめのヘッドで小回りがきくモデルなどがあります。
自分の肌質や好みの仕上がりなどを考慮して電気シェーバーを選び、日々の髭剃りに取り入れましょう。
髭剃りによる肌荒れの根本解決を目指すなら医療脱毛がおすすめ

さまざまなケアをしても髭剃りで肌荒れが続くなら、根本的な原因を排除できる医療脱毛を検討するのもおすすめです。
医療脱毛は、施術回数を重ねるごとに毛量が減少するため、髭剃りの頻度を大幅に減らすことができ、カミソリ負けの原因を根本から絶つことができます。
ジュノ(ジュノビューティークリニック)の医療脱毛は、カウンセラーと医師による丁寧なカウンセリングのうえ、1人ひとりの毛質・肌質に合わせた機器設定で行います。
万一施術後に肌トラブルが起きた場合も、医師による診察・処置・薬の処方をすぐに受けられるので安心です。
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- 参考文献・URL
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「小西さやか著 日本化粧品検定協会監修「日本化粧品検定2級3級対策テキスト」(主婦の友社)
久留戸 真奈美, 塩原 みゆき, 菅沼 薫:シェーバーによる男性の肌荒れ計測
久留戸 真奈美, 中村 千春, 塩原 みゆき:ムダ毛の手入れと肌への影響ー脱毛器3機種とカミソリによる手入れの比較からー
高橋 康之:「保湿化粧品とその作用」(国立感染症研究所)
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