エラボトックスの小顔効果とは?仕組みと製剤による承認範囲の違い
エラボトックス(咬筋へのボツリヌストキシン注射)は、小顔効果を目的に行われる施術です。
使用する製剤によって国内で承認されている範囲が異なり、承認内か適応外使用かはカウンセリングで確認する必要があります。
この記事では効果の仕組みと承認状況、想定される副作用・リスクを整理します。
この記事の要約
- エラボトックスは、咬筋(エラ部分の筋肉)にボツリヌストキシン製剤を注射し輪郭の変化を目指す施術です。
- 国内で承認されているボツリヌストキシン製剤の一部には、咬筋膨隆への使用が承認適応として追加されています。
- 一方で、咬筋への使用が承認適応に含まれない製剤を用いる場合は、適応外使用にあたります。
- 咀嚼力の低下や左右差等のリスクがあり、効果の持続期間には個人差があります。
エラボトックスとその効果とは
エラボトックスとは、エラ部分の筋肉である咬筋にボツリヌストキシン製剤を注射し、小顔効果を目指す施術の通称です。
咬筋の緊張を抑えることで、輪郭の見え方が変化することを目的としています。
エラボトックスの国内承認状況と製剤による違い
エラボトックスの承認状況は、使用する製剤によって異なります。カウンセリングでは、どの製剤が使われるかを確認することが重要です。
PMDAの添付文書によると、A型ボツリヌストキシン製剤の一つである「ボトックスビスタ」は、2026年8月改訂で「65歳未満の成人における咬筋膨隆」への使用が新たに承認適応に追加されました。
用法・用量は、左右の咬筋に各3部位、合計48〜72単位を注射する内容が示されています。承認された用法・用量の範囲内であれば、適応内の使用となります。
一方、同じくA型ボツリヌストキシン製剤である「ボトックス注用」(グラクソ・スミスクライン社)の添付文書には、咬筋膨隆への使用は承認適応として含まれていません。
この製剤を咬筋に使用する場合は、承認された効能・効果の範囲を超える適応外使用にあたります。
適応外使用の場合は、自由診療であること、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性があることを、施術前に説明として受けることが大切です。
エラボトックスで小顔効果が期待できる仕組み
エラボトックスは、咬筋の働きを弱めることで輪郭の見え方に変化をもたらす仕組みです。
咬筋の筋活動を抑制し萎縮させる
ボツリヌストキシンは、神経から筋肉への伝達を一時的に抑制する作用を持ちます。
咬筋に注射すると、筋肉の緊張が抑えられ、使われにくくなった筋肉が徐々に萎縮することで、エラ部分の輪郭が変化する仕組みです。
効果の程度には個人差があり、一律の変化を保証するものではありません。
人体に害がないように無毒化している
医薬品として承認されているボツリヌストキシン製剤は、精製・調整された成分を用いており、通常の使用方法であれば重篤な中毒症状を起こすものではないとされています。
ただし、適応や用法・用量を超えた使用は想定される安全性の範囲を外れるため、承認された使い方が守られているかが重要です。
エラボトックスの効果を感じるまでの期間と持続目安
効果を感じるまでの期間や持続期間には個人差があり、一律の期間を保証することはできません。
一般的にボツリヌストキシンの効果は注射後数日から徐々に現れ、数か月程度持続するとされますが、咬筋の状態や個人差によって変わります。
効果が薄れた場合は、追加の施術が検討されることがあります。
エラボトックスの想定される副作用・リスク
エラボトックスには、咬筋の働きを抑えることに伴ういくつかのリスクが想定されます。
咀嚼力の低下
咬筋は食事の際に使う筋肉であるため、その働きを抑えることで、硬いものを噛みにくくなる等、咀嚼力が一時的に低下することがあります。
左右差
注射する部位や量に左右差が生じると、輪郭や噛む力に差が出ることがあります。
笑顔・表情の変化
咬筋の変化が表情や笑顔の見え方に影響することがあります。
学会レベルの一次資料は限定的であり、頻度や程度を一律に説明することは避け、気になる場合は医師に相談することが大切です。
エラボトックス施術を受けられない可能性があるケース
ボツリヌストキシン製剤には、一般的に使用を避けるべきとされる条件があります。
妊娠中・授乳中の方や、神経筋疾患がある方等は、一般的にボツリヌストキシン製剤の使用を避けるべきとされています。
ただし、咬筋膨隆への使用が適応外使用にあたる製剤の場合、承認された対象患者の条件がそのまま当てはまるとは限らないため、個別の状態については医師への確認が必要な要確認事項です。
エラボトックスの施術前に確認したいこと
施術を検討する際は、次の点をカウンセリングで確認しましょう。
適応外使用であることの説明を受けているか
使用する製剤が咬筋膨隆に承認されているものか、それとも適応外使用にあたるものかについて、事前に説明を受けているかを確認しましょう。
リスク・費用の説明が十分か
咀嚼力の低下や左右差等のリスク、費用の総額について、施術前に十分な説明があるかを確認することが大切です。
エラボトックスに関するよくある質問
ここでは、エラボトックスに関してよく寄せられる質問と回答をまとめました。
エラボトックスは何回受ける必要がありますか?
効果の持続期間には個人差があり、回数を一律に決めることはできません。効果が薄れてきたタイミングで、追加の施術を検討することが一般的です。
エラボトックスにリスクはない?
咀嚼力の低下や左右差、表情の変化等のリスクが想定されます。リスクがまったくない施術とは言えません。
エラボトックスをやっても食事に支障はない?
咬筋の働きが抑えられることで、硬いものを噛みにくくなる等、食事に一時的な影響が出ることがあります。程度には個人差があります。
まとめ
エラボトックスは、咬筋にボツリヌストキシン製剤を注射し、輪郭の変化を目指す施術です。
使用する製剤によって国内承認の状況が異なり、咬筋膨隆への使用が承認適応に追加された製剤もあれば、承認適応に含まれず適応外使用にあたる製剤もあります。
どちらに該当するかは、施術前にカウンセリングで確認することが欠かせません。
咀嚼力の低下や左右差、表情の変化等のリスクがあり、効果の持続期間にも個人差があります。
適応外使用の場合は医薬品副作用被害救済制度の対象外となる可能性がある点も踏まえ、リスクと費用の説明を十分に受けたうえで、施術を受けるかどうかを判断しましょう。
気になる点があれば、施術前に医師へ直接確認することをおすすめします。
参考・出典
PMDA ボトックスビスタ注用50単位/100単位 添付文書 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/112130_122940AD1026_3_03
PMDA ボトックス注用50単位/100単位 添付文書 https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/340278_1229404D1020_1_15