埋没法は何点留めがいい?2点・3点・4点の違いと選び方・注意点を解説
埋没法で「結局何点留めがいいのか」と迷う方は多いですが、点数だけで一律に優劣を決められる根拠は見当たりません。
3点留めを基本とする紹介も見かけますが、点数と二重の持続性を直接比較した一次情報は特定できておらず、まぶたの厚みや糸のかけ方など点数以外の要素も仕上がりに関わります。
この記事では点数ごとの一般的な考え方と、点数以外に確認したい点、カウンセリングで聞いておきたい内容を整理します。
自分に合う点数を決め打ちせず、診察で相談しながら判断することが大切です。
この記事の要約
- 埋没法の点数は片方のまぶたを固定する箇所の数を指すが、数え方の基準は医療機関によって異なることがある。
- 点数が多いほど二重ラインが消失しにくいと直接比較した一次情報は特定できておらず、点数だけで持続性の優劣を断定することはできない。
- 二重の仕上がりは点数よりも、まぶたの厚みやたるみ、糸のかけ方や結び目の位置といった要素に左右されることが多い。
- 点数を増やすと固定箇所や操作範囲が増えるため、腫れの経過や抜糸・修正の際に確認すべき点も増える。
- 埋没法で希望する二重幅に届かない場合は、切開を伴う術式が選択肢として検討されることがある。
埋没法の「何点留め」とは
「何点留め」とは、埋没法で片方のまぶたを糸で固定する箇所の数を表す言葉です。まずはこの言葉が何を指すのか、用語の意味を確認しておきます。
一般的には1点から6点程度まで点数の選択肢が紹介されることがありますが、点数の呼び方や範囲は医療機関の説明によって幅があります。
点数の数え方は医療機関で異なることがある
同じ「3点留め」という表記でも、糸の本数や結び目の数え方、術式の呼び方が医療機関によって異なる場合があります。
点数の数え方に表記の統一された定義があるとは限らないため、カウンセリングで自分が受ける施術がどのような数え方に基づく点数なのかを確認しておくと安心です。
何点留めがいいかは点数だけで決まらない
「結局何点留めがいいのか」という疑問への結論を先に述べると、点数だけで一律に優劣が決まるわけではありません。
まぶたの厚みや皮膚のたるみの程度、希望する二重幅の広さ、糸のかけ方などが組み合わさって仕上がりに影響するため、点数のみを基準に特定の点数が一番良いと言い切ることはできません。
点数はあくまで判断材料のひとつとして捉え、他の要素とあわせて医師と相談しながら決めることが大切です。
点数ごとの一般的な傾向
ここでは点数ごとに紹介されることが多い一般的な考え方を整理します。あくまで傾向として捉え、実際の適否は診察で判断されるものです。
| 点数 | 固定する範囲の考え方 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 1点・2点留め | まぶたの一部を糸で固定する考え方で紹介されることが多い | 術後の見た目の変化や糸が触れないかどうか |
| 3点留め | まぶた全体にバランス良く固定点を配置する考え方で紹介されることが多い | 点数の根拠や糸のかけ方の説明内容 |
| 4点留め以上 | 固定箇所を増やして広い範囲を支える考え方で紹介されることが多い | 腫れの経過や抜糸・修正のしやすさへの影響 |
上表は一般的に紹介される考え方であり、実際の適否や持続性を保証するものではなく、個人差があります。
1点留め・2点留め
1点留めや2点留めは、固定箇所が少ないぶん施術による負担が比較的抑えられる考え方で紹介されることが多い方法です。
ただし固定箇所が少ない分、点が取れた場合の見た目への影響や、希望するまぶたの状態に届くかどうかは個人差があるため、診察で確認する必要があります。
3点留め
3点留めは、まぶた全体に固定点をバランス良く配置する考え方として紹介されることが多い点数です。
4点留め以上
4点留め以上は、固定箇所を増やしてより広い範囲を支える考え方として紹介されることがあります。
固定箇所が多いほど良いとは限らず、まぶたへの操作範囲が広がる点も踏まえて、腫れの経過や抜糸・修正のしやすさへの影響を確認しておくとよいでしょう。
埋没法の点数と二重の持続性の関係
点数が多いほど二重が取れにくいのかは多くの方が気になるところですが、ここでは分かっている範囲を正直に整理します。
点数の多さと持続性を比べた根拠は限られる
参考情報として、埋没法ではなく小切開法を対象にしたシステマティックレビュー(13研究・4177例)では、切開数を1~4のグループに分けて比較した結果、合併症率は5%、二重ラインが消失するfold-loss率は2%であり、グループ間で有意差は見られなかったと報告されています。
ただしこれは小切開法の報告であり、埋没法の点数にそのまま当てはめることはできない点に注意が必要です。
留め方の違いを比べた報告
点数そのものではなく、糸のかけ方を比較した報告もあります。
韓国人204例392眼を対象に3ヶ月以上経過を観察した後ろ向き研究では、断続法(88例)と連続法(116例)を比較したところ、二重ラインの消失は断続法で19.3%(88例中17例)、連続法で8.6%(116例中10例)と有意差がみられ(p=0.026)、結び目の露出は連続法1例に対し断続法では5例(ほかに肉芽腫1例)でした(p=0.021)。
この研究は単一施設の後ろ向き研究であり、点数の多さを比べたものではなく、日本人での結果を保証するものでもありません。
埋没法の点数以外に仕上がりを左右する要素
点数と同じか、それ以上に仕上がりへ影響しうる要素があります。ここでは代表的な2点を取り上げます。
糸のかけ方と結び目の位置
糸の結び目を皮膚側に置くか、まぶたの裏側(結膜側)に置くかによって、糸が見える・触れるリスクや、眼球側への露出に関する考え方が変わりうるとされています。
医療機関が独自の術式名を用いている場合は、それが一般的にどの術式に対応するのかをカウンセリングで確認しておくと理解しやすくなります。
まぶたの厚み・たるみ・希望する二重幅
まぶたが厚い場合や皮膚のたるみがある場合、点数を増やしても埋没法だけでは希望する二重幅や仕上がりに届かないことがあります。
点数を足すことで対応できる範囲には限りがあるため、最終的な判断は診察でまぶたの状態を確認したうえで行われます。
埋没法の点数を増やすと変わること
点数を増やすことにはメリットとして語られる面もありますが、あわせて変わる点も把握しておく必要があります。
腫れとダウンタイム
固定箇所が増えるほど、まぶたへの操作範囲も増える傾向があります。
腫れの経過を日数で断定できる一次情報は確認できていないため、ここでは具体的な日数は示さず、経過には個人差があることを前提に考えてください。
ダウンタイムはほぼないと単純化できるものではありません。より詳しい経過の目安は、ダウンタイムを扱った別記事もあわせてご確認ください。
費用
埋没法は自由診療にあたり、費用は全額自己負担です。
点数によって料金が変わる医療機関もありますが、詳しい費用については別記事や実際のカウンセリングで確認してください。
抜糸や修正のしやすさ
固定箇所が増えるほど、抜糸や修正の際に確認する箇所も増えます。
点数が多いからといっていつでも元に戻せるとは限らず、抜糸の可否や難しさは用いられた術式やこれまでの経過によって異なります。
点数によらず埋没法で起こりうるリスク
埋没法のリスクは点数の多さだけで決まるものではありません。重瞼術の合併症を整理したレビューでは、主に次のような分類が示されています。
- 仕上がりへの不満
- まぶたの高さに関する問題
- 二重のラインに関する問題
- 糸に関連する合併症
- 眼瞼手術一般に伴う合併症
糸の露出と目のトラブル
埋没法で用いた糸がまぶたの裏側(結膜側)に露出すると、角膜を傷つけることがあります。
埋没法後に眼のトラブルを訴えて受診した12例を対象にした後ろ向き研究では、角膜上皮の点状・びまん性障害が9例、角膜潰瘍が2例、眼球穿孔が1例(このうち1例は硝子体炎により硝子体切除を要した)報告されています。
ただしこれは合併症を自覚して受診した患者を集めた研究であり、埋没法を受けた人全体の中でどの程度の割合で起こるかを示すものではない点に注意してください。
埋没法で希望に届かない場合の選択肢
点数を増やしても希望する二重の状態に届かない場合、切開を伴う術式が選択肢として検討されることがあります。
切開を伴う術式であれば必ず希望どおりの状態になる、あるいは二重が取れないと保証されているわけではなく、傷跡の見え方やダウンタイムの長さなど埋没法とは異なる点もあります。
埋没法のカウンセリングで確認したいこと
点数を決める前に、カウンセリングで次のような点を確認しておくと判断しやすくなります。
- 提案された点数とその理由
- 糸のかけ方と結び目の位置
- 想定されるリスクと合併症
- 腫れの見込みと経過の目安
- 抜糸や修正が必要になった場合の条件と費用
- 保証の範囲
厚生労働省も、施術を受ける前に使用する薬剤、リスクと副作用、他の選択肢の有無、急いで決める必要があるかどうかを確認するよう呼びかけています。カウンセリングの際にあわせて確認しておくとよいでしょう。
埋没法に関するよくある質問
本文で触れきれなかった疑問について、分かっている範囲で回答します。
2点留めから3点留めに変えられますか?
点数を追加できるかどうかは、既存の糸の状態やまぶたの状態によって異なります。
そのまま点数を足す方法が検討される場合もあれば、抜糸してから点数を組み直す方法が検討される場合もあります。
可否や具体的な方法は、診察でまぶたの状態を確認したうえで判断されます。
点数が多いほど二重幅を広くできますか?
点数の多さと設定できる二重幅の関係を示す一次情報は特定できていません。
二重幅は点数だけでなく、まぶたの厚みやたるみ、糸のかけ方など複数の要素に左右されると考えられるため、点数を増やせば幅を広くできるとは言い切れません。
希望する幅については、診察で相談しながら検討する事項です。
まとめ
埋没法の点数は、片方のまぶたを糸で固定する箇所の数を表す言葉であり、点数だけで持続性や仕上がりの優劣が一律に決まるわけではありません。
点数と二重ラインの持続性を直接比較した一次情報は特定できておらず、3点留めなど特定の点数を一様に勧める根拠も確認できていません。
まぶたの厚みやたるみ、希望する二重幅、糸のかけ方や結び目の位置、点数を増やした場合の腫れや抜糸・修正のしやすさへの影響など、点数以外に確認すべき点が数多く残されています。
提案された点数の理由や想定されるリスクをカウンセリングでよく確認し、自分の目や希望に合った方法かどうかを医師と相談しながら時間をかけて判断することが大切です。
参考・出典
小切開法の切開数別の合併症率・二重ライン消失率を比較したシステマティックレビュー(Aesthetic Plast Surg. 2023) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36348097/
重瞼術における断続法と連続法の二重ライン消失率・結び目露出を比較した後ろ向き研究(J Craniofac Surg. 2015) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/26413962/
重瞼術の合併症を分類したレビュー(Facial Plast Surg. 2020) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33368082/
埋没法後の眼障害で受診した症例を検討した後ろ向き研究(J Plast Reconstr Aesthet Surg. 2021) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34226132/
厚生労働省 美容医療の受診前に確認したい事項 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04978.html