GLP-1ダイエットの副作用は?主な症状・対処法と受診の目安を解説
GLP-1ダイエットの副作用が心配な方に向けて、どのような症状が報告されているかを先に整理します。実際に受診を検討したい目安まで具体的に解説します。
あわせて、美容・痩身目的での使用の多くは国内で承認された用途とは異なる使用にあたる点も、はじめに押さえておきましょう。
この記事の要約
- 副作用は消化器症状・低血糖・重大な副作用の3つに大きく整理できます。
- 他の血糖降下薬と併用する場合、低血糖を来す可能性が高まるとされています。
- 重大な副作用として急性膵炎、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸などが示されています。
- 個人間売買で入手した薬剤には偽造品が含まれている可能性があり、違法です。
- 適応外使用の場合、医薬品副作用被害救済制度の対象にならない可能性が高いとされています。
GLP-1ダイエットで報告されている副作用
GLP-1ダイエットで報告されている副作用は、大きく消化器症状・低血糖・重大な副作用の3つに整理できます。
比較的よく報告される消化器症状
悪心、嘔吐、下痢、便秘、腹痛、消化不良、腹部膨満、食欲減退などが、マンジャロ皮下注やリベルサス錠の添付文書に記載されています。
低血糖が起こることがある条件
単独で使用する場合には低血糖のリスクは少ないとされていますが、他の血糖降下薬、特にインスリン製剤、スルホニル尿素(SU)薬、グリニド薬と併用する場合には、低血糖を来す可能性が増大するとされています。
- 冷や汗、動悸、手指のふるえ、強い空腹感などがみられることがある
- 症状を感じたら、糖分を含む食品を速やかに摂るなどの対応が必要になる場合がある
- 症状が続く、または繰り返す場合は自己判断で様子を見ず受診する
重大な副作用として挙げられているもの
添付文書上の重大な副作用として、低血糖に加え、急性膵炎、胆嚢炎、胆管炎、胆汁うっ滞性黄疸が示されています。
急性膵炎
嘔吐をともなう持続的な激しい腹痛などの初期症状があらわれた場合は使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導することとされています。
胆嚢炎・胆管炎・胆汁うっ滞性黄疸
胆嚢炎、胆石症等の急性胆道系疾患が発現するおそれがあるため、腹痛などの腹部症状や肝・胆道系酵素の異常がみられた場合は、画像検査等による原因の精査を考慮するなど、適切な対応が必要とされています。
脱水と急性腎障害
下痢や嘔吐から脱水を続発し、急性腎障害に至るおそれがあるため、患者の状態に注意することとされています。水分摂取の状況も含めて体調の変化を確認しましょう。
GLP-1ダイエットを始めとした過度な体重減少にともなう影響
体重の減少が急激または過度になることにも注意が必要とされています。
特に高度肥満症では、メンタルヘルスの変化にも注意が必要で、自殺企図または自殺念慮を有する、あるいはその既往のある患者には格別の留意が必要とされています。
気持ちの落ち込みや強い不安を感じる場合は、一人で抱え込まず、医療機関や相談窓口に相談してください。
副作用が出たときの対処と受診の目安
副作用が疑われる症状が出た場合は、自己判断で量を増減したり中止したりせず、次のような症状があれば速やかに受診してください。
- 持続する激しい腹痛や、嘔吐をともなう腹痛がある
- 嘔吐が続いて水分を摂れない
- 意識がもうろうとする、冷や汗が止まらないなど低血糖が疑われる症状が続く
- 皮膚や白目が黄色くなるなど、肝・胆道系の異常が疑われる症状がある
使用できない・慎重な判断が必要なケース
禁忌として、本剤成分への過敏症、糖尿病性ケトアシドーシスや糖尿病性昏睡・前昏睡、1型糖尿病、2型糖尿病を有する患者における重症感染症や手術等の緊急の場合が挙げられます。
妊婦・妊娠している可能性のある女性には投与しないこと、2か月以内に妊娠を予定する女性では投与を中止することとされています。
膵炎の既往や重度の胃腸障害、低血糖を起こすおそれのある状態などは慎重な判断が必要とされています。製品ごとに異なるため、最終的な判断は診察で確認してください。
個人輸入や個人間売買で入手した場合のリスク
インターネット等でのGLP-1受容体作動薬の個人間売買は違法です。
SNSやフリマサイト等を通じて入手した医薬品には、偽造品や品質が劣化した医薬品が含まれている可能性があるとされています。
正規の医療機関を通さない入手は避けてください。
GLP-1ダイエットは副作用被害救済制度の対象になるか
美容・痩身・ダイエット等の目的による適応外使用では、使用目的・方法などにより医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
個別の給付可否は制度の審査により判断されます。
一方で、この制度は使用目的・方法が適正であったと認められない場合に対象外となる仕組みであり、「適応外なら必ず対象外」と一律に決まっているわけではありません。
GLP-1ダイエットに関するよくある質問
ここでは、GLP-1ダイエットの副作用についてよく寄せられる質問に回答します。
副作用はどれくらいの期間続きますか?
継続する期間を示せる一次情報は確認できていません。
症状の出方には個人差があるため、期間を数値で断定せず、症状が続く場合や強くなる場合は医師に相談してください。
副作用が心配な場合は量を減らせますか?
自己判断での減量はおすすめできません。
血糖降下薬を不適切に減量すると、望ましくない高血糖などを引き起こす可能性もあるため、量の調整は必ず医師に相談したうえで行ってください。
まとめ
GLP-1ダイエットで報告されている副作用は、消化器症状・低血糖・重大な副作用の3つに整理できます。
低血糖は他の血糖降下薬と併用する場合に起こる可能性が高まり、急性膵炎や胆嚢炎、胆汁うっ滞性黄疸などの重大な副作用も添付文書に示されています。
持続する激しい腹痛や意識がもうろうとする症状があるときは、自己判断せず速やかに受診してください。
個人間売買で入手した薬剤には偽造品が含まれる可能性があり、違法です。
適応外使用では医薬品副作用被害救済制度の対象にならない可能性が高い点もふまえ、副作用が心配な場合も自己判断で調整せず、正規の医療機関で相談しながら使用を検討してください。
参考・出典
肥満症治療薬の安全・適正使用に関するステートメント(2025年4月10日改訂) https://www.pmda.go.jp/files/000275251.pdf
最適使用推進ガイドライン セマグルチド(遺伝子組換え)〜肥満症〜(令和8年6月改訂) https://www.pmda.go.jp/files/000281140.pdf
PMDA 医療用医薬品情報 マンジャロ皮下注(チルゼパチド) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2499422G1024_1
PMDA 医療用医薬品情報 リベルサス錠(セマグルチド) https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/rdDetail/iyaku/2499014F1021_1
厚生労働省 医薬品の個人輸入について(GLP-1受容体作動薬等に関する注意喚起) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kojinyunyu/index_00003.html
PMDA 医薬品副作用被害救済制度に関するQ&A(Q7) https://www.pmda.go.jp/relief-services/adr-sufferers/0032.html