顔の脂肪吸引のダウンタイムはどのくらい?経過と注意点を解説

顔の脂肪吸引後は、痛みや内出血、むくみなどが生じることがあります。

この記事では、確認できた範囲の情報をもとに経過の目安と生活で気をつけたい点を整理し、体の脂肪吸引と異なる点も解説します。

この記事の要約

  • 顔の脂肪吸引後は、腫れ・内出血・むくみ・拘縮などが数日から数週間かけて経過することがあります。
  • 復帰できる時期と、周囲に気づかれにくくなる時期は分けて考える必要があります。
  • 処方薬や圧迫固定の指示を守ることが、ダウンタイムを長引かせないために重要です。
  • 発熱や強い痛みなど緊急性の高い症状がある場合は、速やかに医療機関へ連絡することが必要です。

顔の脂肪吸引のダウンタイム期間の目安

ダウンタイム期間については、顎下の脂肪吸引の合併症を整理した2022年のスコーピングレビューが参考になります。

この文献では、ある症例について施術から5日後にドレーンを抜去し、20日目に浮腫が完全に消失したと記されています。

ただしこれは1例の記録であり、報告されたフォローアップ期間も研究によって3〜12か月と幅があります。

数字は目安として受け取りつつ、自分の経過は施術を受けたクリニックで確認してください。

腫れ・内出血が目立ちやすい期間

腫れや内出血は施術後数日から1〜2週間程度で軽快することが多いとされますが、経過には個人差があります。

腫れは施術の翌日から数日かけて強くなり、その後ゆるやかに引いていく経過をたどることが多いとされています。

内出血は色が変わりながら吸収されていくため、途中で黄色みを帯びて見えることがあります。

この時期は圧迫固定の指示が出ていることが多く、指示どおりに続けられるかどうかが経過に影響します。

仕事や学校に復帰できる時期

痛みや腫れの程度が落ち着けば復帰できる場合もありますが、見た目の変化が周囲に気づかれにくくなる時期とは分けて考える必要があります。

人と近い距離で話す機会が多い職種では、腫れが落ち着くまで日数を確保したいと考える人もいます。

一方、在宅での作業が中心であれば早めに復帰しやすくなります。

復帰の可否は仕事の内容によって変わるため、施術前に予定を伝えて、どの程度の日数を空けておくとよいか相談しておくと計画を立てやすくなります。

むくみ・拘縮が落ち着く時期

顎下の脂肪吸引に関する報告では、ある症例でむくみが20日程度で軽快したとされていますが、これは一例であり、すべてに当てはまるものではありません。

拘縮(皮膚のつっぱり・硬さ)は、数週間から数か月かけて落ち着く場合があります。

拘縮は、脂肪を取り除いた空間が治っていく過程で生じるとされ、触ると硬い、皮膚が引っ張られるといった感覚として現れます。

左右で程度が異なることもありますが、経過の途中の状態で仕上がりを判断するのは早いといえます。

硬さが気になっても、自己判断で強く押したりマッサージしたりせず、始めてよい時期を確認してください。

仕上がりが完成する時期

むくみや拘縮が落ち着き、最終的な仕上がりが安定するまでには、数か月程度かかる場合があります。

先に挙げたスコーピングレビューでは、報告された症例のフォローアップ期間が3〜12か月とされています。

むくみが引き、拘縮がやわらぎ、皮膚が新しい輪郭になじむまでには段階があるため、途中経過を最終的な結果と受け取らないことが大切です。

記録として、同じ角度と明るさで写真を残しておくと変化を確認しやすくなります。

顔の脂肪吸引のダウンタイム中に起こりやすい症状

顔の脂肪吸引のダウンタイム中には、次のような症状が起こることがあります。

多くは時間とともに落ち着くとされますが、程度や続く期間には個人差があります。

腫れ・むくみ

施術部位を中心に腫れやむくみが生じることがあります。

日本形成外科学会の解説では、脂肪吸引の合併症として漿液腫(体液がたまる状態)が挙げられており、腫れの感じ方は人によって異なります。

就寝時に頭を高くする、塩分を控えるといった配慮が案内されることもあります。

左右で腫れ方に差が出る時期もありますが、経過の途中では判断しにくい部分です。

内出血

内出血が生じることがあり、範囲や色の変化には個人差があります。

皮膚の下に出た血液が吸収される過程で、紫から黄色へと色が移り変わっていくのが一般的な経過です。

重力の影響で、施術した部位より下の方へ広がって見えることもあります。

急に範囲が広がる、強い痛みを伴うといった場合は、想定される経過を超えている可能性があるため連絡してください。

痛み・熱感

筋肉痛のような痛みや熱感が生じることがあります。処方された鎮痛薬で対応できる程度であれば、想定される経過の範囲と説明されることが多い症状です。

一方で、日ごとに痛みが強くなる、局所が熱を持って赤みが増すといった場合は、感染などの可能性を考える必要があります。

我慢して様子をみるより、早めに連絡するほうが安心につながります。

拘縮による硬さ・凹凸・つっぱり感

皮膚の下が硬くなる拘縮により、つっぱり感や凹凸を感じることがあります。

時間とともに落ち着いていく場合がありますが、断定的な日数は示せません。

顎下の脂肪吸引に関する報告では、合併症として顎下の陥凹や肥厚性瘢痕、瘢痕拘縮が挙げられています。

凹凸が強く残る、一方向にだけ強く引きつれるといった場合は、経過を待つだけでなく診察で相談する対象になります。

硬さの感じ方は日によっても変わるため、気になる部位を記録しておくと相談しやすくなります。

しびれ・感覚の鈍さ

一時的な知覚の変化(しびれ・感覚の鈍さ)が生じることがあります。多くは時間とともに回復するとされますが、個人差があります。

日本形成外科学会の解説でも、脂肪吸引の合併症として知覚異常が挙げられています。顎下の脂肪吸引に関する報告では、一過性の顔面神経麻痺が合併症として記載されており、頻度は高くないものの神経に関わる症状が生じ得ることが示されています。

感覚の戻り方には差があるため、いつからどの範囲が続いているかを記録して診察で伝えると、経過を把握しやすくなります。

傷跡

吸引のための小さな切開部に傷跡が残ることがあります。目立ちにくい部位に切開することが多いとされますが、体質によって残り方は異なります。

顎下や耳の後ろなど、影になりやすい部位に切開されることが多いとされます。

ただし顎下の脂肪吸引に関する報告では、合併症として肥厚性瘢痕が挙げられており、体質によっては傷跡が盛り上がることもあります。

傷跡が残りやすい体質に心当たりがある場合は、施術前に伝えておくと、切開位置や術後のテープ保護について配慮を受けやすくなります。

顔の脂肪吸引後はいつから仕事・外出ができる?

復帰できる時期は、職種や人と話す機会の多さ、フェイスバンドの着用指示などによって変わります。

「復帰できる」ことと「周囲に気づかれにくい」ことは別の基準として考える必要があります。

外出そのものは早い段階から可能な場合もありますが、フェイスバンドの着用が続く間は見た目の制約が残ります。

マスクや髪型で目立ちにくくする工夫をする人もいますが、圧迫固定を外してよい時期は指示に従う必要があります。

大切な予定がある場合は逆算して施術日を決めると、無理に固定を外す判断を避けられます。

顔の脂肪吸引後の日常生活はいつから再開できる?

入浴、運動、飲酒などを再開できる時期は、傷口の状態、抜糸の有無、術式によって異なります。

自己判断ではなく、施術を受けたクリニックの指示に従ってください。

とくに入浴や飲酒、運動は血行を強める行為であり、術後早期は腫れや内出血に影響する可能性があります。喫煙も傷の治りに関わるとして控えるよう案内されることがあります。

再開の時期は術式や傷口の状態によって変わるため、一律の日数として覚えるのではなく、その都度確認する姿勢が経過の安定につながります。

脂肪吸引のダウンタイムを長引かせないための過ごし方

ダウンタイムの経過を安定させるために、次のような点に気をつけます。

特別なことをするより、指示を守り、余計な刺激を加えないことが基本になります。

処方薬と圧迫固定の指示を守る

処方された薬やフェイスバンドなどの圧迫固定は、指示された期間続けることが経過を安定させることにつながります。

圧迫固定は腫れや皮膚のたるみを抑える目的で行われるとされ、外している時間が長くなるほど狙った状態を得にくくなる可能性があります。

着用が苦しい、皮膚が擦れて痛いといった場合は、自己判断で外さずに調整方法を相談してください。

抗菌薬や鎮痛薬が処方されている場合も、指示された飲み方を守ることが大切です。

術後早期は血流が過度に増える行動を避ける

血行が良くなりすぎる行動は、腫れや内出血を悪化させる可能性があります。

長時間の入浴やサウナ、飲酒、激しい運動などが代表的です。

顔の場合は、下を向く姿勢が長く続く作業や、うつぶせで寝る姿勢も負担になることがあります。

日常の姿勢まで含めて、術後しばらくは意識しておくとよいでしょう。

患部を強く押したり自己判断でマッサージしたりしない

冷却やマッサージを行う時期は、必ず医師に確認してから行ってください。自己判断でのマッサージは避けましょう。

拘縮による硬さが気になると、早く柔らかくしたいという思いからマッサージをしたくなることがあります。

しかし時期を誤ると、内出血や腫れを悪化させる可能性があります。

施術直後の冷却についても、当てる時間や方法によっては皮膚に負担がかかるため、指示された範囲で行ってください。

寝る姿勢と食事に配慮する

頭を高くして寝る、塩分を控えるなど、むくみに配慮した過ごし方が案内されることがあります。

枕を重ねる、上半身を少し起こした姿勢で休むといった方法が取り入れやすい工夫です。

水分を極端に減らす必要はなく、塩分の摂り方を見直すほうが現実的とされます。

睡眠不足も回復に影響するため、術後しばらくは休息を優先してください。

顔の脂肪吸引でダウンタイムが長引きやすい要因

吸引する範囲や量、施術者の技術、術後のケアの状況などによって経過は変わります。

特定の機器を使えば「必ず短い」と断定できるものではなく、根拠がある範囲での説明を確認することが大切です。

また、日本形成外科学会の解説では、脂肪吸引の合併症として感染、血管塞栓症、内臓の破損、漿液腫、知覚異常が挙げられています。

顎下の脂肪吸引に関する報告でも、合併症の報告そのものは限られた件数にとどまるとされる一方、頸部壊死性筋膜炎や頸顔面ジストニアといった重い症状の記載も含まれています。

頻度は高くないとしても、こうした事態への備えとして、連絡体制や再診の仕組みを事前に確認しておくことが大切です。

ダウンタイム中にクリニックへ相談したい症状

次のような症状がある場合は、記事上のセルフケアで様子をみるのではなく、速やかに医療機関へ連絡してください。

  • 痛み・腫れ・赤みが急に強くなる
  • 発熱、膿、強い熱感がある
  • 左右差や皮膚の色の変化が急に現れる
  • 息苦しさなど全身症状がある
  • しびれや感覚の鈍さが長く続く
  • 圧迫固定を続けられないほどの痛みがある

これらは、時間が解決するかどうかを自分で見極めにくい症状です。

夜間や休診日に不安が生じることもあるため、緊急時の連絡先と対応できる時間帯を、施術前に確認しておくと安心です。

連絡する際は、いつからどのような症状が出ているかを時系列で伝えると、必要な対応を判断してもらいやすくなります。

顔の脂肪吸引のダウンタイムに関するよくある質問

メイクを再開できる時期や外出の考え方について、検索で多く見られる疑問を取り上げて回答します。

内出血はメイクで隠せますか?

傷や腫れの状態によって、メイクで対応できるかどうかは変わります。施術直後は刺激を避け、指示に従ってください。

切開部が閉じるまではその周囲を避ける必要があり、落とすときにこすることも刺激になります。

再開できる時期とあわせて、クレンジングの方法まで確認しておくと迷いにくくなります。

腫れが引くまで人と会えませんか?

腫れの程度や予定によって考え方は異なります。むくみが目立つ期間はマスクなどで対応する人もいますが、無理に外出を避ける必要があるとは限りません。

ただし、圧迫固定の時間を削ってまで予定を優先すると、経過に影響する可能性があります。

大切な予定がある場合は、施術日そのものを調整するほうが結果的に負担が少なくなります。

まとめ

顔の脂肪吸引後は、腫れ・内出血・むくみ・拘縮などが数日から数週間、場合によっては数か月かけて経過することがあります。

復帰できる時期と、周囲に気づかれにくくなる時期も分けて考える必要があります。しびれなど知覚の変化が生じることもあります。
処方薬や圧迫固定の指示を守り、自己判断でマッサージをしないことが経過を安定させることにつながります。寝る姿勢や食事にも配慮するとよいでしょう。

発熱や強い痛み、左右差の急な変化など緊急性の高い症状がある場合は、自己判断で様子を見ず速やかに医療機関へ連絡してください。

参考・出典

日本形成外科学会「脂肪吸引(リポサクション)」 https://jsprs.or.jp/general/disease/biyo/shibokyuin.html

顎下脂肪吸引の合併症に関するスコーピングレビュー(Medicina Oral Patol Oral Cir Bucal, 2022) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9054168/