ダーマペンはニキビ跡に効果がある?回数の目安と副作用
ダーマペンは、極細の針で肌に微細な穴を開け、体が本来持つ創傷治癒の働きを利用してコラーゲンの生成を促す施術です。
主に陥凹した(へこんだ)タイプのニキビ跡に対して選択されることが多い一方、跡が完全に消えると保証されるものではありません。
効果の感じ方や必要な回数には個人差があり、赤みやかさぶたなどのダウンタイムが生じることもあります。
この記事では仕組み・向いている症状・回数の目安・副作用・費用の考え方を整理します。
この記事の要約
- ダーマペンは微細な針で肌に小さな傷を作り、創傷治癒の働きでコラーゲンの生成を促す施術です。
- 主な対象は陥凹した(へこんだ)タイプのニキビ跡で、赤みや色素沈着主体の跡には別の治療が検討されます。
- 効果を感じやすい回数は瘢痕の状態や機器によって幅があり、断定できるものではありません。
- 施術後は赤みやかさぶた、炎症後の色素沈着などのダウンタイムが起こることがあります。
- ダーマペンは自由診療にあたるため保険は適用されず、費用は施術範囲や回数によって変わります。
ダーマペンがニキビ跡に働きかける仕組み
ダーマペンは極細の針を皮膚の浅い部分に一定の深さで刺し、体に備わった創傷治癒反応を利用して肌の入れ替わりを促す機器です。
針によって生じた微小な傷に対して炎症反応が起こり、その後の修復過程でコラーゲンやエラスチンの産生が促されると考えられています。マイクロニードリング(針で皮膚に微細な傷をつくる施術の総称)に関する複数のランダム化比較試験を統合したシステマティックレビュー・メタアナリシスでは、レーザー等を併用しない単独施術でも、ニキビ跡の見た目の評価が施術前後で改善したとする報告がまとめられています。ただし、これは複数の研究を統合した際の傾向であり、個々の症例で同じ変化が起こると保証するものではありません。
肌の創傷治癒は、炎症が起こる時期、新しい組織がつくられる時期、その組織が成熟していく時期に大きく分かれるとされています。コラーゲンの入れ替わりはこの後半の過程でゆるやかに進むと考えられており、施術直後に変化を感じるというより、時間をかけて少しずつ肌質が変わっていくとされています。
ダーマペンが向いているニキビ跡の種類
ニキビ跡にはいくつかの種類があり、ダーマペンが検討されやすいのは主に皮膚がへこんだ状態の跡です。
皮膚が盛り上がる肥厚性瘢痕・ケロイドと、皮膚がへこむ陥凹性(萎縮性)瘢痕とでは性質が異なるとされています。ダーマペンなどのマイクロニードリングは陥凹性瘢痕を対象に検討されることが多く、赤み(炎症後紅斑)や茶色っぽい色素沈着が主体の跡については、内服・外用薬やレーザーなど別の治療法が候補になる場合があります。跡の種類を自己判断で決めず、診察で見きわめてもらうことが前提になります。
同じ陥凹性瘢痕であっても、跡の深さ・大きさ・範囲によって、施術後に感じられる変化の程度や見え方は一人ひとり異なります。跡の状態を写真や触診で確認したうえで、他の治療との組み合わせが提案されることもあります。
ダーマペンの効果を感じやすい回数・期間の目安
ダーマペンは1回で完了する施術ではなく、複数回に分けて重ねる計画で検討されることがあります。
回数の目安は、ニキビ跡の種類や範囲、使用する機器の設定などによって変わり、現時点でのエビデンスは限定的です。「軽度なら数回」といった目安が紹介される場合もありますが、これはクリニックごとの経験に基づく参考値であり、回数を重ねたからといって必ず同じ程度の変化が得られるわけではありません。回数や間隔の考え方について詳しく知りたい方は、関連記事「ニキビ跡は何回で治る?」もあわせてご確認ください。
マイクロニードリングと他の治療法を組み合わせた場合の効果を比較したネットワークメタアナリシスでは、単独施術よりも、ケミカルピーリングなど他の治療と組み合わせた方が、改善の程度や満足度の評価が高かったとする報告もあります。ただし、これは研究上の比較結果であり、組み合わせ治療が適しているかどうかは肌の状態によって異なるため、回数や治療計画は診察を通じて相談する形になります。
ダーマペンのダウンタイムと副作用
ダーマペン施術後は、肌が小さな傷から回復する過程でいくつかの反応が起こることがあります。
- 赤み(紅斑)や熱感
- 軽度の腫れ
- 点状の出血やかさぶた
- 炎症後色素沈着
- 乾燥やつっぱり感
陥凹性ニキビ跡に対するマイクロニードリングと他の治療法(ケミカルピーリング、レーザー、多血小板血漿(PRP)など)を比較したネットワークメタアナリシスでは、赤み・痛み・炎症後色素沈着(施術後の炎症をきっかけに一時的な色素沈着が残ること)といった副作用について、治療法間で明確な差は確認されなかったと報告されています。この結果は特定の治療が副作用面で優れていることを示すものではなく、どの治療にも一定の反応が起こり得る点は共通していると理解しておく必要があります。
ダーマペンによるニキビ治療前後の注意点
ダーマペンの施術効果や肌への負担は、施術前後の過ごし方によっても変わることがあります。
- 施術前後は日焼けを避け、紫外線対策(日焼け止めの使用など)を行う
- 施術当日は刺激が強い洗顔料やスクラブ、ピーリング剤の使用を控える
- 施術後しばらくは飲酒や長時間の入浴、激しい運動など血行を大きく変化させる行動を控える
- 赤みや乾燥が落ち着くまでは低刺激な保湿を中心にスキンケアを行う
- 気になる症状が続く場合は自己判断で対処せず、施術を受けたクリニックに相談する
ダーマペンが向いていない可能性があるケース
肌の状態や体調によっては、ダーマペンの施術が見合わされたり、時期をずらして提案されたりすることがあります。
- 妊娠中・授乳中
- 施術部位に強い炎症や感染症状がある場合
- ケロイド体質、あるいはケロイドの既往がある場合
- 服薬中の薬剤や持病により肌の治癒に影響が想定される場合
これらに該当するかどうかや施術の可否は自己判断できるものではなく、事前の診察で肌の状態や既往を確認したうえで判断されます。
ダーマペンによるニキビ治療の費用目安
ダーマペンによるニキビ跡治療は自由診療にあたり、公的医療保険は適用されません。
費用は、施術する範囲の広さ、使用する機器や麻酔の有無、施術回数などによって幅があります。ウェブサイトやSNSで紹介されている金額は目安であり、実際の費用は肌の状態や治療計画によって変わるため、契約前に見積もりや総額、追加費用の有無を確認しておくことが大切です。
料金の示し方もクリニックによって異なり、複数回分をまとめたコース料金として案内される場合もあれば、1回ごとに料金が設定されている場合もあります。麻酔やアフターケア用品の費用が別途必要になることもあるため、総額でいくらになるのかを事前に確認しておくと安心です。
よくある質問
ここでは、ダーマペンによるニキビ跡治療について、よく寄せられる質問に回答します。
ダーマペンは痛みを感じますか?
針が皮膚に触れるため、痛みやチクチクとした感覚を伴うことがあります。感じ方には個人差があり、麻酔クリームなどを使って刺激を和らげる対応がとられる場合もあります。痛みが心配な場合は、施術前にクリニックへ相談してください。
ダーマペンは保険適用されますか?
ニキビ跡へのダーマペン施術は美容目的の自由診療にあたり、公的医療保険は適用されません。費用は全額自己負担となるため、事前に料金体系を確認しておく必要があります。
まとめ
ダーマペンは、微細な針で肌に小さな傷をつくり、体の修復力を利用してコラーゲンの生成を促す施術で、主に陥凹したタイプのニキビ跡に対して選択肢の一つとして検討されます。効果の出方や必要な回数には個人差があり、複数回の施術を重ねても変化の程度は一様ではないため、「跡が消える」と言い切ることはできません。施術後は赤みやかさぶた、炎症後の色素沈着といった反応が生じることがあり、妊娠中や強い炎症がある場合などは施術の可否が慎重に判断されます。自由診療のため費用にも幅があるので、気になる症状や不安な点は、施術を受ける前にクリニックでの診察を通じて確認することが大切です。
参考・出典
Microneedling Monotherapy for Acne Scar: Systematic Review and Meta-Analysis of Randomized Controlled Trials(PubMed) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35426044/
Comparing the efficacy and safety of microneedling and its combination with other treatments in patients with acne scars: a network meta-analysis of randomized controlled trials(PubMed) https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/39110247/
日本皮膚科学会 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/zasou2023_230820.pdf