クマ取りに脂肪注入は必要?併用が向くケースと注入なしで済むケースを解説

「絶対に必要」「不要」という単純な二択ではなく、クマの原因や脱脂後に想定される見え方によって、脂肪注入を併用するかどうかの判断は変わります。

この記事では、脱脂と脂肪注入それぞれの目的の違いから、併用が向くケースと注入なしで済むケースを整理します。

メリットだけでなく、内出血や血管塞栓などのリスクも確認できます。経結膜脱脂については、施術ページでご案内しています。

この記事の要約

  • 脂肪注入は必須の工程ではなく、脱脂だけで平坦になる見込みが低い場合に検討されます。
  • 脱脂は膨らんだ脂肪を取り除く施術、脂肪注入はへこみを補う施術で目的が逆です。
  • 脂肪注入には、内出血や左右差のほか、血管塞栓という重大なリスクも報告されています。
  • 頬に注入しすぎると、間延びした印象になるなど見え方が変わることがあります。
  • 必要かどうかの最終的な判断は、診察でクマの状態を確認したうえで決まります。

クマ取り+脂肪注入の必要性

脂肪注入は、クマ取りに必ず必要な工程ではありません。経結膜脱脂だけで平坦になる見込みが低い場合に検討される、追加の選択肢のひとつです。

「必要」「不要」を一律に決めることはできず、判断は診察によります。

同じ「クマ取り」という希望でも、脱脂だけで十分なケースと、脂肪注入まで検討した方がよいケースがあり、その違いを理解しておくことが判断の助けになります。

脱脂と脂肪注入は目的が異なる施術

脱脂と脂肪注入は、働きかける対象が逆の施術です。

施術 働きかける対象 向いている見た目
脱脂 膨らんだ眼窩脂肪を取り除く 脂肪の膨らみによる影が目立つ
脂肪注入 へこみを脂肪で補う 脱脂だけでは平坦になりすぎる、くぼみが残る

膨らみが強いタイプに脂肪注入だけを行っても、へこみを補う施術のため膨らみ自体は解消されません。反対に、くぼみが目立つタイプに脱脂だけを行うと、脂肪を取り除いた分だけへこみが目立ちやすくなることもあります。目的が逆であることを理解しておくと、なぜ併用が検討されるのかが分かりやすくなります。

実際には、膨らみとくぼみが同じ目の下に混在していることも珍しくありません。その場合、膨らんでいる部分は脱脂で取り除き、くぼんでいる部分だけに脂肪注入で補うというように、部位ごとに異なる施術を組み合わせることもあります。

全体を一律に「脱脂だけ」「注入だけ」と決めるのではなく、部分ごとの状態を踏まえて計画されます。

脂肪注入が必要になりやすいケース

次のようなケースでは、脂肪注入の併用が検討されやすいとされています。

  • 目の下のくぼみが強い体質
  • 加齢によるボリューム減少がある
  • 裏ハムラ法でも届きにくいゴルゴライン付近に溝がある

いずれの場合も最終的な判断は診察によるため、自己判断で決めつけないようにしてください。カウンセリング時の見た目だけでなく、脱脂後にどの程度平坦になりそうかという見立てを踏まえて判断されます。

脂肪注入をしなくても済むケース

もともと下まぶたに脂肪が十分にある場合や、脱脂だけで平坦な仕上がりが見込める場合には、脂肪注入を追加する必要性は乏しいとされています。

不要な注入を行わないことも、リスクを抑えるうえでは大切な視点です。

クマ取りに脂肪注入を併用するメリット

脱脂だけでは平坦になりすぎる、または凹凸が目立つ場合に、脂肪注入で自然ななだらかさを補える場合があります。効果を保証するものではありません。

頬から目の下にかけての境目がなだらかになることで、影が目立ちにくくなると期待されることがあります。

脱脂単独では、取り除く量によっては骨のくぼみがそのまま見えてしまい、かえって影が目立つことがあります。そうした場合に、へこんだ部分へ適量の脂肪を足すことで、脱脂後の見た目を調整できる可能性があるという位置づけの施術です。

どの程度の変化が見込めるかは、実際の骨格や脂肪の厚みによって異なります。

クマ取りに脂肪注入を併用するデメリット・リスク

メリットがある一方で、注入ならではのリスクも存在します。ここでは主なリスクを分けて確認します。

内出血・左右差・しこり

注入部位に内出血や腫れが出ることがあります。左右差が生じたり、注入した脂肪が均一に定着せずしこりのように触れたりすることもあります。

程度や経過には個人差があり、時間の経過とともに落ち着くこともあれば、追加の処置が検討されることもあります。

血管塞栓など重大なリスク

顔面への脂肪注入では、誤って血管内に注入されることで眼動脈が閉塞し、視力障害に至った症例が報告されています。

目の周囲や眉間は、こうした報告がある部位のひとつです。報告された症例では、注入直後に吐き気や目の痛み、視力低下が生じ、その後の治療でも視力の改善が得られなかったとされています。

血管内への誤注入を避けるためには、解剖を熟知した経験のある医師が行うことが重要になります。

頬に注入しすぎた場合の見え方の変化

中顔面のボリュームが増えすぎると、間延びした印象になったり、頬骨が張って見えたりすることがあります。「絶対に不自然にならない」といった保証はできません。

必要以上に量を増やすのではなく、希望する変化に見合った範囲で検討することが大切です。

クマ取り施術の流れ

脱脂と脂肪注入を併用する場合の一般的な流れを、簡単に紹介します。

  • 局所麻酔を行う
  • 経結膜脱脂で余分な脂肪を取り除く
  • 必要に応じて脂肪注入でへこみを補う
  • 術後の腫れや内出血の経過を確認する

実際の手順や所要時間は、併用する施術の範囲や個人の状態によって変わります。ここで紹介した流れはあくまで一般的な目安であり、具体的な計画は診察のうえで確認することになります。

クマ取りを受けられない可能性があるケース

脱脂や脂肪注入を併用する場合も、体の状態によっては次のように施術を受けられない可能性があります。

  • 出血しやすい状態である
  • 妊娠中・授乳中である
  • 感染症がある

可否は診察で個別に判断されます。

クマ取りに関するよくある質問

脂肪注入の必要性に関してよく検索される疑問について、断定を避けながら回答します。

脂肪注入だけでクマは取れますか?

膨らみが原因のクマには、脂肪を取り除く脱脂が主な対応になります。脂肪注入はへこみを補う施術のため、原因が膨らみである場合には脂肪注入だけでは改善が見込みにくいことがあります。

脂肪注入は何年くらいで吸収されますか?

注入した脂肪は時間とともに一部が吸収されるとされていますが、吸収の程度や期間には個人差があり、一律の年数を保証することはできません。持続期間の詳細は「クマ取りは何年持つ?」の記事で解説しています。

脱脂と脂肪注入は同時にできますか?

同時に行われることもありますが、可否や組み合わせ方は診察でのクマの状態の確認によって判断されます。すべてのケースで同時に行えるとは限りません。

まとめ

クマ取りに脂肪注入が必要かどうかは、「絶対に必要」「不要」という単純な二択ではなく、クマの原因や脱脂後に想定される見え方によって判断が分かれます。

脱脂は膨らんだ脂肪を取り除く施術、脂肪注入はへこみを補う施術で、目的が逆であることを理解しておくことが判断の助けになります。
脂肪注入には内出血や左右差といった一般的なリスクに加えて、血管塞栓という重大なリスクも報告されています。頬に注入しすぎた場合の見え方の変化も含めて、メリットとリスクの両方を理解したうえで検討することが大切です。
必要かどうかの最終的な判断は、診察でクマの状態を確認してから決めてください。

参考・出典

日本眼科学会雑誌111巻1号(2007年) 顔面自家脂肪注入後の眼動脈閉塞症例報告 https://www.nichigan.or.jp/Portals/0/JJOS_PDF/111_22.pdf

Plastic and Reconstructive Surgery誌 経結膜脱脂の長期成績に関する前向き研究 https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC13200867/